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平成24年09月定例議会 村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年9月1日更新

【はじめに】

9月定例議会開会にご出席頂きご審議頂きますことまず感謝申し上げます。
今議会は議員のみなさまにおかれては任期最後の定例議会であります。混迷が続く国政の中において地域の自立や住民の暮らしをどのように守っていくのか地方自治体の役割が大きくなる中で村政のあり方があらためて問われております。
ご存知のように、野田内閣は、消費税の引き上げを遮二無二押し通しました。これに自民、公明の野党2党も加わり「税と社会保障の一体改革」という錦の御旗を掲げて進めました。しかし、実際には消費税増税が突出しているのみで社会保障改革や財政改革の全容は見えてきておりません。それどころか今回の消費税の導入によって出た分を公共事業に充てるということが取りざたされております。大震災の復興、原子力事故による避難住民対応等待ったなしの緊急な課題や、尖閣諸島、竹島問題等国の安全保障に係わる問題が山積する中でそれらの議論を棚上げにして政権争いが繰り広げられております。
こうした不毛の状況が続く中で国民の暮らしは忘れ去られ、12年度予算執行に必要な「公債発行特例法案」は、成立の目処が立たず、国民の暮らしに直結する予算の執行が抑制され、我々地方自治体にも影響がある地方交付税の満額交付が出来ないなど国民の暮らしに直接影響が出ることになっています。
国民の間には、政治不信が蔓延しており、それが議会制民主主義の否定、批判という危険な現象を産み出しています。
「決められる政治か決められない政治か」あるいは「既得権益是か非か」というように問題を単純化して二者択一を迫る傾向がマスコミの意識的な取り上げもあって国民の間に広がりを見せており、こうした感覚で小泉構造改革を支持し、実現性に乏しかった民主党マニフェストに期待をかけてきました。それが裏切られると橋下維新の会に望みをかけるという動きが起こっており、選挙戦に大きな影響を及ぼす状況となっております
こうした背景には、国民の中に、自ら進んで問題を解決するため、ことの本質を見極め、みんなで力を合わせて事に対処しようとするのではなく、一時の感情やマスコミ報道に左右されて安易に判断してしまうことがあります。「決められない政治」というワンフレーズがはやっています。しかし、大切なことは、誰かに決めてもらうということでなく、決めてはならないことなのか決めなくてはならないことなのかを国民自身の責任で決めることであり、「既得権益打破」でなく、与えられている権利や権限は自分にとってマイナスかプラスかを見極め守るべきか、なくすべきかを判断することでなくてはなりません。
大飯原発再開を機に原発反対を掲げて多くの人々が首相官邸前で抗議行動を連続的して行っております。一方では、自ら責任を持って主張し決めていきたいと願う国民の行動も始まっております。
TPPや道州制問題等、我々に直接関係する問題についてはしっかり主張していかなくてはならないと考えます。

【村内の経済状況について】

わが国の経済は、こうした政治状況の中で一進一退の景気動向が続いており、ヨーロッパや中国経済への大きな不安を持ちながら、震災復興等の需要に支えられなど一部の分野においては成長を示していますが、多くの実体経済は厳しい状態にあると言われております。古川経済財政担当相は8月28日、8月の月例経済報告で、景気の基調判断を昨年10月以来、10ヶ月ぶりに下方修正しました。
こうした中で村内の経済状況も一層厳しさを増すものと予想されます。商工会がまとめた景況調査によると、製造業においては、8月まではほぼ順調に推移したが9月以降については悲観的な見方となっています。観光業については、震災の影響で入込が増えた昨年と比較して少なくなったが、ほぼ一昨年並みで推移した模様であります。しかし、今後は予約申し込みが遅くなっている等、秋の入込が心配であるといわれています。今回実施した、ヘブンスそのはらの「スタービレッジ・ナイトツァー」には3,300人の入場者がありました。小売業や飲食業についても、ほぼ前年並みの売り上げが確保されたとされております。建設、建築関係とも受注減が続いておりますが、建築業では、村の住宅リフォーム補助金の6、7、8月の審査件数が15件となっており仕事の確保に貢献しています。
盟和産業本社に議長さんとお尋ねし事業の存続を要請してきましたが、主力は御嵩町に移行しましたが従来からの製造継続に力を入れられるとの回答が社長さんよりありました。
この10月1日にはKOA(株)七久里の新工場が完成し操業が始まることになっており、また、京田原で建築中の「南信州菓子工房(株)」の新工場も年内の完成を目指して工事が進められており明るい話題もあります。
一方、産業公社が進めております、農産物販売は順調に推移し、直売や中京方面スーパー、愛知生協等への販売で現在のところ売り上げで昨年比140パーセント、出荷農家も100戸に近くなっております。また、昼神温泉の旅館ホテルへの販売も30万円ほどになっており徐々に増える見込みをたてております。
こうした状況に対して、経済対策について的確に対応して参らなくてはならないと考えます。

【事業の進捗状況】

8月末をもって今年度も5ケ月を過ぎましたが、昨年度から繰り越した事業を始め計画した事業も順調に進めております。繰り越し事業の内防災用備品購入事業については、各自治会等との打ち合わせが終了しましたので配備していきます。
例年行われております「阿智の夏まつり」も多くの皆様のご協力により盛大に開催することができました。また、消防技術大会では、小型ポンプ操法の部で第5分団が飯伊大会で優勝し、県大会に臨みましたが惜しくも第6位となりました。ラッパ部は、飯伊大会2位と連続優勝を逃しましたが、飯伊大会に出場した第3分団をはじめ、健闘をたたえたいと思います。
8月29日に、東海、東南海、南海など東海から九州沖を震源地とする南海トラフ巨大地震について、中央防災会議の有識者会議は、被害想定を公表しました。マグニチュード9を想定し、最悪の場合、津波や住宅倒壊、火災等による全国の死者は、32万3千人、倒壊、焼失建物が238万6千棟に上ると想定しています。長野県内では、飯田市や阿南、大鹿村で震度6強、阿智村では6弱、他でも震度6弱から5強と予測し、長野県内の死者50人、負傷者2千人、建物の倒壊、焼失は最大2400棟と試算しています。本村については、最大値6弱と想定しております。位置的に見ても、県内被害想定の8割は飯田下伊那地区で起こると考えられます。当然本村の被害想定についても今までの予測を上回るものになります。報道されているように、この被害の想定値は、今後の対応によって少なくすることが出来るものであります。26日には、各集落で防災訓練が行われ、中関区自治会では自治会主催で訓練をして頂きました。一層減災に対する備えを強化する必要があります。

【議会案件について】

今議会でご審議いただく案件は、人事案件1件、条例案件2件、決算案件7件、予算案件5件であります。
人事案件は、人権擁護委員1名が任期を迎えますのでその後任の方の候補を推薦していただくものであります。
条例案件のうち、阿智村防災会議条例の一部を改正する条例及び、阿智村災害対策本部条例の一部を改正する条例の制定は、災害対策基本法の改正により、市町村の防災会議及び災害対策会議の変更がされたことにより改正するものであります。
決算案件の内、平成23年度阿智村一般会計及び各特別会計決算の承認を得るものであります。
一般会計決算は、歳入合計6,766,554,355円、歳出合計6,103,407,499円、歳入歳出差引額663,146,856円、翌年度に繰り越し財源124,857,000円を差し引いた実質差し引き残額は、538,289,856円となりました。昨年度からの繰越金630,231千円、財源補填的繰入金234,089千円を差し引き、年度内積立金262,918千円を加えた単年度実質収支額は、63,112千円の赤字となりました。しかし、財政補填的な臨時財政対策債160,000千円を借り入れなかったことや起債の繰り上げ償還を176,803千円行ったのでこれを勘案すると273,691千円の実質黒字となります。
歳入についてみてみますと、税制度の改正で村税が2,500千円ほど前年度より増となっておりますが、村債が504,600千円減となっておりますので総額では、665,166千円の減となりました。歳出については、人件費が876,690千円と28,151千円前年度を上回りました。この主な原因は、職員等の給与は2,500千円ほど上回っておりますが多くは議員共済制度の改正による共済負担金が一時的に増えたことによるものであります(制度改正による増額分は交付税で措置されます)。扶助費は高齢化が進むことで毎年伸びますが11,200千円ほど増となっております。義務的経費、経常的経費等昨年度とほぼ同額で推移しておりますが、投資的経費は381,234千円減となっております。統合中学校建設最終年で290,486千円、特別養護老人ホーム増改築に554,248千円、上中関自治会館建設事業に92,820千円等が主なものであります。
特別会計は、国民健康保険事業勘定では、歳入額621,084,822円、歳出額601,909,903円、差引額19,174,919円、直営診療勘定歳入額107,363,532円、歳出額94,381,515円、差引額12,982,017円、水道事業では、歳入額219,300,883円、歳出額212,507,030円、差引額6,793,853円、下水道事業では、歳入額239,464,710円、歳出額233,974,891円、差引額5,489,819円、農業集落排水事業では、歳入129,065,797円、歳出額126,442,973円、差引額2,622,824円、介護保険事業では歳入額740,961,488円、歳出額731,573,837円、差引額9,387,651円、後期高齢者医療では、歳入額60,118,518円、歳出額59,408,540円、差引額709,978円となっております。一般会計からの財源補填的な繰入金は、直診勘定で51,568千円、起債償還を中心に水道事業で73,074千円、下水道事業で151,359千円、農集排で114,086千円となっております。
この結果、地方債の現在高は、一般会計で昨年より454,622千円減の6,343,858千円、特別会計で298,026千円減の3,950,236千円となりました。合計では752,648千円減の10,294,094千円であります。
一方基金残高は、一般会計で昨年度より23,574千円増の4,611,518千円、特別会計では1,787千円増の608,291千円となり、合計では25,361千円増の5,219,809千円となりました。財政の健全化を見る指標についてでは、経常収支比率で基準値を上回る79,2%、実質公債比率は、昨年度より2,3%改善され9,1%となっております。
6月定例議会で詳しくご説明しました各種会計での未収金についてでありますが、その後も滞納整理を進めてまいり、8月9日現在で5,248千円の徴収を行いましたが一般、特別会計合計で70,379千円の未収金となっております。
6月にも申し上げましたが、これ以上の滞納が増えることは全てに悪影響を及ぼすことになります。滞納額の減少のため庁内を挙げて努力致さなくてはならないと考えます。 
23年度は、大きな事業も行いましたが地方交付税等が順調に交付されたこともあって健全財政を維持することが出来ました。監査委員のご指摘にもあるように、今後は合併特例措置の切れる3年後を想定した計画的な財政運用を進めなくてはなりません、特に、下水、水道、橋梁等の維持、改修に多額な経費を要する事業については計画的な運用を今から心掛けて行く必要があります。公共施設等の適切な管理についても今回委員会を設置し検討をいただきますが一層無駄を排していかなくてはなりません。

予算案件は、一般、特別ともに補正予算についてであります。
一般会計補正予算第4号は、既定の歳入歳出予算4,678,160千円に歳入歳出それぞれ503,182千円を追加し歳入歳出総額5,181,342千円とするものであります。
歳出の主なものは、自然エネルギー問題の関心を高めるため環境フェア開催や水力、太陽光発電のモデル施設設置に4,600千円、住宅等の増加により不足してきたCATVエリア増設工事費17,560千円、今回新たに、民間事業者が行う福祉施設整備に対する補助金制度を設けました。これにより「夢のつばさ」が計画する重度障害書者のケアホームに補助金を交付することとし、建設補助金17,077千円、廃棄物の分別等を行うストックヤードへトイレ設置するための建設費に4,600千円、新たな水道料金システムの構築に12,910千円、新たに国の農業後継者対策である「農業後継者に就農支援金を一定期間年150万円給付する事業」に本村で7名が該当になったのでの100%国からの交付金分11,250千円、大規模防護策設置場所の刈り払い補助金3,000千円、横川にあります村有林の除間伐および獣害対策に3,747千円、鹿等の捕獲奨励金追加5,900千円、治部坂別荘の環境整備に6,017千円、住宅リフォーム補助金の追加35件3,500千円、中央自動車道上にかかる伏谷橋の落下防止を関係団体からの交付金3,000千円を受けて行う工事費4,000千円、化成工業周辺の道路拡幅工事14,100千円、中関下原地籍道路改良工事5,000千円、議員のみなさんからご提案のあった図書室環境を改善するため第1、第2,第3小学校図書室冷房設置4,400千円、清内路ミズナラ保護調査委託料3,388千円、災害復旧事業に土木、農林9,705千円、京田原工場用地売却費の基金積立18,102千円、前年度の繰越金の2分の1を財政調整基金に積立254,144千円、残りについては、補正財源に充当するとともに、保育園の耐震化に充当する公共施設整備基金27,000千円全額の減額と臨時財政対策債90,000千円全額減額と、起債の繰り上げ償還を96,850千円追加して120,643千円行うこととしました。
特別会計についてそれぞれ必要な補正を行います。
以上、ご審議いただく案件についてご説明いたしました。詳細については上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。
また、追加日程として、教育委員の任命同意についてお願いいたすことに致しております。それに関連して若干意見を申し上げたいと思います。教育をめぐる問題はいま大きな社会問題になってきております。問題が発生する都度教育委員会の在り方が話題に上っております。教育委員会の形骸化とか、廃止とかを主張する首長も出てきております。私はかねてから、こうした風潮について大きな危惧を持っておりました。戦後民主主義の大きな柱に教育基本法の制定や、一般行政からの教育行政の独立がありました。市町村の教育行政の責任は、市町村教育委員会が担う制度が確立したのであります。「教育の地方自治」といわれるものであります。
教育委員は当初公選で選任され、教育委員の合議によって教育委員会が運営され、教育行政をつかさどるものとして教育長が置かれていました。
しかし、間もなくして教育委員の公選制は廃止され、首長の任命制に切り替わり、その後の動きは、制度発足当初の理念実現の方向で発展してこなかったと思っています。ここ数年阿智村教育委員会は教育長不在で推移し、委員長を中心にした教育委員会本来の運営を進められてきていただいております。
私は、現下の教育問題を考えるとき、教育委員会の形骸化や、廃止でなく権限の強化や、住民の皆さんの教育要求に応える教育委員長を中心にした責任ある教育行政が進められることを望むものであります。
今回、議会においてご協議頂き新設した補助制度について申し上げます。
地震等災害が発生した場合、まず避難するのが各部落の集会所になることから、集会所の耐震化は欠かせません。集会所の改修等には補助金制度がありますが、建て替え等には補助金制度がありませんでした。今回集会所の新、改築事業について新たな補助金制度を設けることといたしました。補助基本額を20世帯までの部落で7百万円とし、10世帯増加するごとに50万円を上乗せし、補助金の限度額を1千万円とする案で検討しております。今後細部を決め来年度より施行したいと考えます。
本年度を「特定検診受診強化年」として取り組みを進めております。7月には天野先生のご理解もあって診療所での時間外検診等を行っていただきました。現在のところ50パーセントの受診率となっていますが目標の65パーセント達成に向けてご協力をお願いします。かかりつけ医のある方は、お医者さんで必ず検診を受けていただきたいと思います。また、各部落等で健康について、専門家の方をお願いして会合を開いた場合、その方に対する謝礼の補助制度を設けました。阿智・アクティブ・エイジング(トリプルAサポート事業)事業補助制度であります。一グループ年12回を限度に一回に付き5千円を補助します。ぜひ部落等でご活用していただき健康長寿を目指していただきたいと思います。

【第5次総合計画後期計画について】

現在第5次総合計画の後期計画の作成中でありますが、これに関連してこのほど経験しましたことについて申し上げたいと思います。
「首長が変わることが職員を変えることだと思っています。職員が変われば役場が変わる。役場が変われば地域が変わる。地域が変われば、海士町でいうなら島が良くなることだということです。」これは、島根県海士町の山内道雄町長があるシンポジウムで語っている言葉の一節であります。海士町は隠岐の島前地区にある人口2,400人の町であります。後醍醐天皇流刑の地で浪合村と交流のあった隠岐の島町の前にある島にあります。現在、島の新しい産業おこしを始め大変注目を集めている町であります。私たちは今回、地域高校である阿智高校の問題を考えるうえで、同じような地域高校「島前高校」の取り組みを学ぶために海士町を訪ねました。高校の件については後日に報告いたしますが、全体的な地域つくりについて多くを学ぶことができました。山内町長が就任する前は、平凡な漁業の島であり、町の財政は公共事業によるところが大きい状況であったといわれます。その結果町の財政は大変危機的な状況で交付税削減がさらに厳しさを増してくる状況下で、新しい村つくりを掲げて山内さんが平成14年に町長につきました。「自分たちの島は自ら守って、自ら築く」ことを目標に、自らの給与を50%削減し、職員も自発的に賃金カットに応じそれらも原資として「島にある第一次産業、海と山のものを再生によって商品化して、島の外から金を持ってくる。」取り組みを進めました。「賃金カットまでして、役場もやるもんだ」という住民の共感が危機脱出のカギとなったのではと町長は語っております。その後は、町外に新たな取り組みの知恵を求め、この目標に賛同する多くの人々が町に住みつき新しい取り組みで新たな商品の開発がすすめられました。専門的知識を持つ人や具体的に事業開発に取り組みたい人と従来から業としている人とでの開発の組織を立ち上げそこに様々な支援を行い、事業化していくという手法で今日まで「さざえカレー」、岩ガキ「春香」、瞬間冷蔵技術を取り入れた「活きいか」、「隠岐牛」等のブランド品を生み出してきました。町長は「株式会社ふるさと海士」の社長としてトップセールスを展開されています。この結果7年間で185人の雇用を生み、188世帯、310人が住みついております。そして今、開発初期は、Iターンに支えられたがこれからは、子供たちが島に目覚めて中心になってくれるよう「人間力あふれる人づくり」に取り組んでいます。私たちが視察の目的とした島前高校の取り組みや町営学習塾の取り組みもそのための取り組みであります。
本土から、フェリーで4時間をかけなくてはならない遠隔の地で、自立的な地域つくりを進めているこの実践から私たちは多くを学ばなくてはなりません。
特にふるさと海士町を愛する人々の町を守る覚悟であります。すべての町民や職員がそうであったわけでありませんがその気持ちがなくては、ことは始まらなかったと思います。町外の若い力を信用して取り入れていく勇気ある取り組みに町長他のみなさんの覚悟を見ることができました。今回お世話になった豊田庄吾さん、岩本悠さんは東京の一流企業からの転職で、企業で培ったノウハウを町つくりに活かしております。(地域経営は企業経営と同じである―役場は「住民総合サービス株式会社」)彼らの目標は、ただ単に海士町の地域つくりの成功にとどまっておりません。これから進むべき我が国の国つくりの壮大な実験をこの島で行っていることであり、ここで成功すれば島国の我が国のあるべき姿を提示できると考えているのです。
今日までの成功の裏には、町の終局の目標である「地域の自立」という進むべき道と「活力ある持続可能な島」の将来像を示し、町政の経営指針『自立・挑戦・交流』~そして人と自然が輝く島つくりの具体像を明らかにして進めてきたことであります。
そして、目標設定したことは必ずやり遂げるという強い覚悟でことに臨んでおられることが良い結果を生み出している源でありました。
岩本さんとの話の過程で、阿智村をどのような村にしたいのかという目標について聞かれました。わたくしは、海士町が設定しているような具体的な応えに窮しました。覚悟の程を見透かされたような気がしました。岩本さんは、「目標さえしっかりしていればそれを実現するための戦略や戦術は立てることが出来る。目標が曖昧では打つ手がない。」と云われました。裏を返せば、やり遂げなくてはと考えれば、おのずから目標の設定に十分時間を要し、具体的にならざるをえないと云うことになりますが、やれればやれた方が良いという程度であれば目標はおのずから曖昧になるということにならざるをえません。
行政に携わる我々の覚悟が成否を分ける大きなカギとなることを学ばせて頂きました。
第5次総合計画の前期計画は、今までの計画より具体的ではありますが、目指すべき将来像が曖昧な状況で、住民のみなさんの解釈に任せる所が大きかったと思います。村を取り巻く経済状況が厳しく外部経済依存では地域の存続は危ういものがあります。若者の流出により人口減少は止まることがないと考えられます。こうした厳しい状況下を乗り切っていくための後期計画は、「一人ひとりの人生の質を高められる持続可能な村」の将来像、住民のみなさん一人ひとりがこの村に生きることを誇りと感じ、この村に生きることで豊かな人生を送ることが出来ると確信できる村の条件は何か。こうした誇りうる地域が、「人」も「自然」も「営み」も続いていくための条件は何かあらためて見極めたうえで作られることが大切であると考えます。
現在議会においてもご協議頂いておりますが、庁内論議や、各種審議会、地区懇談会等においてご協議頂き3月議会には議決頂くよう取り組みを強化してまいりたいと考えます。また、これと並行して来年度の予算編成にも取り組んでまいります。また、これと関連して事業評価についてでありますが、議員のみなさまにはお渡ししてあります事務事業評価シートに基づき決算議会を通じて評価を行って頂きます。加えて今年は従来から外部評価をお願いしております立命館大学の平岡、森両教授に外部評価をお願いたします。出来れば、この評価に住民のみなさんもお加わり頂くことを検討致しております。

【おわりに】

先に申し上げましたように、今定例会は議員のみなさまにとっては任期最後の定例会でございます。みなさまは平成20年12月より議員活動を開始されました。翌21年当初には、アメリカサブプライムローン破綻に端を発した金融不況による経済対策による交付金が交付されることになり、この使途をどうするかが大きな課題となりました。浪合においては治部坂高原に交流施設を、やがて合併する清内路においても交流施設建設を進めることになり、御所の里の活用によるキクイモ関連の事業等これを巡って建設やその後の運営について議会では地域振興に係わる大きな問題として対処して頂きました。清内路との合併による新村計画推進、会地地区の統合保育園建設、統合中学校建設、特別養護老人ホームの増床及び改築事業等懸案の大型事業を行って参りました。この4年間は、国の経済の低迷を受けて地域経済が縮小する時期でありました。人口減少や製造業、観光業等村の主力産業が厳しさを増す中で、農業振興、集落の存続や経済の維持への取り組み等大きな課題に対してご審議等行って頂いてまいりました。また、住民の暮らしにかかわる問題等積極的にご提言も行っていただくと共に行政執行に対しても的確なご助言をいただきました。
一方、議会運営を巡って様々な取り組みを行って頂きました。地方分権の進行や議員定数の削減等を受けて議会のあり方について研究と実践が行われました。政策提言や、各種団体等の懇談等を積極的に行って頂き、議会の存在価値を高め、住民自治の発展に大きな功績を残されました。
これからの任期中においても第5次総合計画後期計画の検討等重要なご協議を最後までお願いいたさなくてはなりません。
改めて皆さまの御労苦に対して感謝の意を表するものであります。
多くの皆様が再選されて引き続いてご尽力たまわることを期待し、また、今期で後進に道を譲られるみなさまには、この経験を今後の村つくりに活かしていただくことお願いしごあいさつと致します。