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平成24年03月定例議会 村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年3月1日更新

はじめに

 3月定例議会開会にあたり一言ごあいさつを申し上げ、合わせて平成24年度への施政方針を申し上げます。

 3・11東日本大震災より早1カ年が経過しました。被災された多くの皆さんは復興の見通しも定かでない中で、現在も仮設住宅をはじめとする避難所暮らしを余儀なくされております。特に原子力発電所事故に伴う放射能被害はいまだ継続しており、予期せぬ新たな問題が発生する等解決の見通しすら明らかになっておりません。国は3次にわたる補正予算を組み復興にあたっておりますが、一刻も早く被災住民の皆さんが普通の暮らしを取り戻せるよう復旧、復興が早められることを強く望むものであります。

 復旧、復興が進まない原因として政治の責任を問う声が上がっております。しかし、野田政権は、現下における最大の課題として、消費税増税を中心とした税と社会保障の一体改革を挙げこれをめぐって政局がらみの政争が繰り広げられており、山積する行政課題がおきざりにされている状況があります。

 国内の経済も、円高が一段落し、株価も若干戻った兆しがあります。が、財務省が発表した1月の貿易統計では、貿易収支で1,4兆円の赤字になる等、経済状況は依然として厳しい状況にあります。日銀はデフレ脱却への支援を開始しましたが、内需拡大となるかどうかは不透明で地方の経済はさらに厳しさを増しております。

 平成24年度の国の予算案は、一般会計予算規模90兆3,339億円で5年ぶりのマイナス予算とされていますが、年金交付国債2兆5,882億円、震災復興特別会計3兆7754億円と合わせると実質的な予算規模は、95兆5,975億円と過去最大となっています。国債発行額は40兆円を超え、新規国債発行額は、3年連続で税収を上回る額となり、当初予算で国債依存度は49%となっています。この結果24年度末の国債残高は、700兆円の大台を超え709兆円に達する見込みで国と地方を合わせて借金は1,000兆円を超える状況になっております。地方交付税については、昨年を若干上回る17兆4,545億円が確保されています。

 経済、財政共に大変厳しい環境の中で24年度を迎えるわけでありますが、国の動向が政局がらみで不確かな下でのスタートとならざるをえません。自主、自律の気概が一層求められる年になります。12月の定例会のあいさつの中で、本村における製造品出荷額など地域経済力が大幅に減少してきたことを述べましたが、住民のみなさんの収入においてもこの傾向は顕著に現れております。平成20年度と比較した全収入額は、173億7千万円が23年度は144億9千万円と該当者が280人ほど減少したこともあり、約29億円の減収となっております。内給与収入額は、102億2千万円が93億2千万円に9億円余減少しています。平均収入額においても一人当たり297万4千円であったものが、250万7千円に、給与分では、257万5千円が248万9千円に減収となっております。一方、年金収入においては、該当者で約100人増、総額1.5億円増の28億2千万円となっております。

 このような経済状況を反映して近年では、恒常的な人口減少が続いており、平成21年4月と23年12月との比較で、出生と死亡の増減では、102人の減、社会増減では110人の減と212人の減少となっております。一年間に70人から100人の減少の計算になります。特に、浪合地区では社会減が53人、清内路地区では自然減21人社会減35人計55人となっており急激な人口減少となっております。

 国立社会保障、人口問題研究所が「日本の将来推計人口」を公表しましたが、我が国の人口は、10年の1億2,805万人から、50年後の50年には8,574万人に減るというものであります。こうした中で、中山間地に位置する本村の人口減少が進むことは、やむを得ないことでありますが、このままの状況が続けば早晩地域の維持が難しくなることは目に見えております。現状においても、その傾向は顕著になってきており小学校、保育園等の存続、消防団員の確保、集落での役員の選出等の問題が現れております。

24 年度予算編成の基本方針

 こうした中で、24年度の予算編成の基本方針を次のように致しました。
 「24年度は、第5次総合計画の最終年であり、後期5ヶ年計画樹立の年であることを意識して編成することが必要であります。前期5ヶ年計画は、清内路との合併前であって清内路のことは計画の中に盛られていないことや、東日本大震災以後の我が国の変化は激しいものがあり、この変化を考慮に入れる必要があります。こうしたことから24年度を前期計画の最終年にのみにこだわらないで、前期計画の未達成事業の実施と同時に、後期5ヶ年計画への橋渡しとなるような事業を組み立てることが要求されます。従って24年度事業は、後期5ヶ年計画を見通したものにする必要があります。」という前提で進めて参りました。

 村づくりの方向としては、特に、地域の衰退を止めることを第一義とし、衰退を招いてきた最大の原因である地域経済の再生と定住人口の維持を重点にし、活動期に入ったと云われる地震被害への減災対策、自然エネルギー対応を新たな取り組みとしました。福祉や健康、子育て等住民の皆さんの暮らしにかかる事業等については、今まで進めてきましたものを事務事業評価等の上に立ってさらに実効が上がるように取り組んでいくこととしました。

第5次総合計画前期計画に沿って重点とする考え方を申し上げます。

全村博物館構想

 村つくりの基本として全村博物館構想を掲げてきました。この間旧街道保存や街並み調査等を行ってきました。しかし、満足度調査の内容を見ると、多くの住民の皆さんがこの趣旨等を理解されていないことが判明しました。全村を屋根のない博物館と見立て村の現存する有形無形のものの価値を求めて大切にしていくことで、誇りある村を目指そうという構想であります。理解されている皆さんによってそれぞれの取り組みがされていますが、それらの取り組みをさらに発展させていくとともに、多くの住民の皆さんがこの趣旨を理解されるよう学習会や体験会等を行います。

教育、文化の向上

 子育てをはじめ子供と親を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。親の考えや、収入によって子供の生活習慣や学力に差が生まれている傾向にあります。こうした状況下であっても、未来を担う全ての子供たちがしっかりとした生き方や学力をつけられるようにしなくてはなりません。子供の姿をしっかり把握し必要な手立てを講じられることを目指します。
 子育て支援の充実を行います。また学校教育については、連級解消をはじめ学力向上を目指し村費職員の配置を行います。
 保育園においては、未満児保育をはじめ様々な保育要望にこたえます。
 学童保育を全小学校で行います。
 社会教育についても地域課題学習の充実を進めます。

保健福祉医療

 介護保険料が、5,500円に近づくことは、介護施設が多いということだけでは説明のつかない問題であるととらえなくてはなりません。村全体の保健福祉医療の問題として改めて施策の見直しを行わなくてはなりません。要介護者の実態調査を始め介護保険料高騰の原因を分析し、健康つくりや介護予防事業の見直しを行うとともに、低い検診受診率等にみられる健康に対する住民意識を高めること、介護に対する知識を高める取り組みを強化することから始める必要があります。
 健康長寿達成プロジェクトによる達成プログラムつくりを進め、各種検診の充実や、健康つくりの新たな取り組みを行います。
 今まで進めてきております、各種福祉施策は引き続いて行いさらに内容の充実を進めます。特に、おたっしゃ会の参加者の増加と内容の充実を図ります。

産業の振興

 国は、24年度より「人、農地プラン」による新規就農者対策と農地集積対策を進めることになりました。本村においても24年度営農集団ごとに農地集積計画をたてていただきます。この計画は、集団内農地を耕作者がいる農地と耕作者がいない農地に色分けし、耕作者がいない農地に新規就農者を入れるか集団内で活用するかを明らかにすることを目的で行うものであります。農業を基盤産業として位置付けて今日まで様々な施策を行ってきましたが、基本は農地の有効利用によって農業生産を上げると同時に景観保全等を進めることであります。こうした意味においても今回の計画を立てることで今までの施策を更に実効あるものにすることができます。産業振興公社設立以来、農産物の有利販売や生産拡大、遊休荒廃地対策を担ってきていただいておりますが、農地保全管理、新規就農者対策等の事業をも担っていただきたいと考えます。
 また、農地保全を目的にした大型防護柵事業について地域全体で取り組んでいただきたいと考えます。

 産業振興の柱である、地域内経済資源の活用による経済再生を行うためには、「観光をプラットホーム」にした振興策の強化を図る必要があります。しかし、コアである昼神温泉をはじめ村内の観光、レジャー産業はいま入込客の減少による厳しい経営環境にあります。誘客対策に支援を行うほか、地産地消をはじめ地域全体の観光環境を高める仕組みの構築や支援を行います。
 観光を取り巻く環境変化に対応した観光施策実施のための新たな組織の検討を行います。

 地域内再投資力を高めるうえで、商工業の活性化は欠かせません。住宅リフォーム補助事業等を引き続いて進めます。また、村内での起業を支援するとともに、製造業をはじめ村外企業誘致等にも取り組みます。

生活環境の整備

 3・11以来我が国は地震の活動期に入ったのではといわれています。昨年12月内閣府の「南海トラフの巨大地震モデル検討会」が東海、東南海、南海地震の規模をマグニチュード9.0に引き上げ、想定震源域も約2倍に拡大すると発表を行いました。地震は何時おきても不思議でないといわれており地震に対する対策は一刻でも早く行わなくてはなりません。昨年度途中に装備品の整備に4千万円を予算化しましたが、引き続いて整備を行いますが、住民のみなさんの意識の向上と集落内での減災対策を進めてもらうことが大切であります。

 地域防災の要として活躍していただいております消防団について、団員の減少が顕著になってきました。該当年齢の方で入団されない人が増えております。ぜひ、該当年齢の皆さんが入団していただけるよう対策を講じなくてはならないと考えます。

 原発事故を経験して、原子力に頼らないエネルギー確保が大きな流れとなってきております。本村においても今年度、環境問題懇談会をスタートさせ研究を進めて頂いております。本村にあった自然エネルギーの開発に取り組むことが必要であります。

 道路維持や公共交通維持等引き続いて進めます。ごみ処理等年々増加してきています。減量化に取り組んでいただく等、環境に配慮した暮らしつくりを支援していきます。

定住人口の増加、行財政計画、協働の推進

 宅地整備等引き続いて若者定住、集落維持を進めます。
 
 住民の皆さんが主体的に地域つくりに取り組んでいただくための支援を引き続いて進めます。自治会活動支援について、新たに事務局的支援を行います。
 
 智里西地区振興協議会を新に設置し智里西地区の地域振興について検討を行います。

 未利用の公共施設や、指定管理に付している施設等について今後の在り方を検討するための研究委員会を設置し研究を行います。

議会案件

 本議会でご審議いただく案件は、報告案件2件、条例案件9件、事件案件2件、契約案件1件、予算案件7件であります。

 報告案件のうち専決処分事項の報告については、専決処分しました一般会計補正予算第7号と第8号について承認を求めるものであります。損害賠償の額を定めることについては、公用車の事故に伴う損害賠償の額についてご報告するものであります。

条例案件のうち
 資金積立基金条例の一部を改正する条例の制定は、中学校建設資金を削除するものであります。
 阿智村体育館設置等に関する条例の制定は、国の法律の改正による用語の改正を行うものであります。
 阿智村デイサービスセンター等の設置に関す条例の一部を改正する制定は、「幸寿苑」を削除するものであります。
 阿智村営住宅等に関する条例の一部を改正する条例の制定は、住宅法の改正に伴い入所基準の改正を行うものであります。
 阿智村下水道条例の一部を改正する条例の制定は、下水道法施行令の改正に伴う、排出基準値の改正を行うものであります。
 上中関区自治会館設置条例の制定は、今般建設しました自治会館の設置について定めるものであります。
 阿智村多機能型事業所設置条例の制定は、通所授産施設「夢のつばさ」を障害者自立支援法に基づく施設にするため制定するものであります。
 阿智村ジビエ加工施設設置条例は、今般改築により整備しました加工施設の設置について定めるものであります。
 一般職職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定は、今年度の人事院勧告に伴う職員の給与の改正を行うものであります。
事件案件の、阿智村村道の廃止についてと認定については、国の指導により路線認定を変更するものであります。

24年度予算

新規事業について

 予算案件のうち、平成24年度阿智村一般会計予算は、歳入歳出予算総額4,590,000千円と昨年度当初予算を440,000千円減であります。歳入については、村税で個人村民税の扶養控除の見直しによる増がありますが固定資産税の評価替えによる減額によって前年度より12,925千円の減額となりました。地方交付税については、前年度同額の2,533,000千円を計上しました。村債については、臨時財政対策債90,000千円と大規模防護柵に伴う過疎、辺地債55,500千円等で189,500千円となり、中学校の建設が終了したため前年度より397,500千円の減となりました。

 歳出については、議会協議会でご検討いただきました「事業計画書」を参考にしていただきたいと思います。ここでは、今年度新たに予算化したものを中心に申し上げます。
 総務費では、満蒙開拓平和記念館(仮称)建設に伴う周辺整備費として13,000千円を計上しました。協働活動費で、自治会支援金に事務的経費支援を5自治会分として3,000千円を、環境対策費に、自然エネルギーモデル施設設置として水力、太陽光発電施設設置に1,200千円、太陽光発システム設置補助に2,000千円、環境にやさしい住宅設備導入補助に1,500千円、放射線測定補助に158千円を計上しました。諸費では、第5次総合計画策定に4,250千円、公有財産研究委員会に245千円、智里西地区振興協議会委員報酬200千円を、定住促進費では新たに設置する定住支援員の人件費500千円を、新規事業として結婚支援を含む定住者誘因プロジェクトに2,115千円を計上しました。
 選挙費では、村議会議員選挙費7,311千円を計上しました。
 民生費では、社会福祉総務費で第三者評価委託料300千円を、民生児童委員活動交付金を一人当たり一万円増額し2,318千円を
  介護保険制度の要介護認定以外の55歳以上の村民税非課税世帯の方の住宅改修補助金1,000千円を新たに計上しました。
 児童福祉費のうち保育所費では、伍和保育園、智里東保育園、清内路保育園の耐震化工事費と、伍和保育園のリニューアル工事費を計上しました。
 衛生費では、検診推進のための集落説明者謝礼80千円、40歳から50歳まで5歳ごとの大腸がん検診無料クーポン100人分147千円を計上しました。
 労働費では、今年度まで南信州広域連合内で行っていた新卒者雇用奨励金事業が廃止されたため新たに村単独で新卒者雇用1名につき250千円を交付することとし15名分4,000千円を計上しました。
 農林水産業費では、農業総務費に地域農業マスタープラン検討委員報酬870千円を、鳥獣対策費に、ジビエ加工施設運営補助金500千円、大規模防護柵設置事業に155,000千円を計上しました。
 商工振興費では、住宅リフォーム促進補助金35軒分3,500千円、飯田下伊那5市町村が企業立地センターに推進員を設置する負担金399千円、観光費では名古屋県人会祭り参加関係に報償費、負担金で202千円、ふるさと村自然園管理委託1,040千円、もみじ平管理委託540千円、ふるさと村自然園施設改修費5,347千円、昼神朝市小道事業に2,300千円、花桃広場整備に1,000千円、清内路健康の森周辺歩道等の整備費10,000千円、蛇峠山整備に1,000千円を計上しました。
 産業連携プロジェクト推進費では、「湯ったりーな昼神」改修工事に5,902千円、村内の観光資源を活用する「旅塾プロジェクトに」10,000千円を村内農産物の昼神での活用を進める「地消地産事業」1,000千円を計上しました。なお「エリアサポート」に対する誘客事業補助金は、5年間継続して30,000千円補助を行ってきたので、5年間の事業の検証を行ったうえで今後を考えることとし10,000千円減額し20,000千円としました。
 治部坂別荘管理では、別荘内村道の舗装工事に10,000千円を計上しました。
 土木費では、道路新設改良費に、中の橋架け替えに伴う設計委託料34,000千円、中関下原地区1-4号・3-19号改良費10,000千円と清内路地区急傾斜法面吹きつけ工事に14,500千円を計上しました。
 住宅費では、今年度も中関住宅の一部解体工事費3,234千円、下平地区と旧阿智高校住宅跡地での宅地造成事業に21,400千円を計上しました。
 消防費では、防災計画見直しと防災意識向上のための経費1,205千円を、今年度も耐震リフォーム補助金3,000千円を計上しました。なお防災行政無線のデジタル化事業については、計画が認可され次第予算化致したいと考えています
 教育費については、清内路小学校に連級解消のための講師人件費3,859千円、各小中学校校舎等の改修と備品整備に32,500千円、中学校改訂教科書用指導書購入に2,179千円、智里東公民館屋根の補修に2,435千円を、第二小学校での学童保育に1,511千円これで全小学校で実施することになりました。学校給食費では、回転釜、フードカッターの更新費1,951千円、浪合調理場ではオーブン、食器棚購入に898千円を計上しました。

予算の概要

 予算の概要について申し上げます。
 歳出総額のうち、一般財源は35億2千万円となっており、人件費では職員数84名で前年当初より1名減で人件費総額805,252千円で32,598千円の減となりました。建設経費は481,975千円、経常経費は3,753,159千円と予算総額に占める比率は81.8%と前年度と比較して55,784千円の減となっております。
 また、地方債残高は、前年度より594,832千円減の9,553,735千円となる見込みであります。なお一般会計5,979,728千円であります。
 特別会計への繰り出し金は、571,285千円と前年度と比べて1,095千円の減であります。
基金残高は、24年度末で全会計5,228,525千円になる見込みであります。なお一般会計4,535,570千円であります。
 平成24年度阿智村国民健康保険特別会計予算については、事業勘定歳入歳出総額525,790千円、直営診療施設勘定歳入歳出総額99,511千円
 平成24年度阿智村水道事業特別会計予算については、歳入歳出総額213,357千円
 平成24年度阿智村下水道事業特別会計予算については、歳入歳出総額299,594千円
 平成24年度介護保険特別会計予算については、歳入歳出総額787,445千円
 平成24年度阿智村農業集落排水事業特別予算については、歳入歳出総額122,780千円
平成24年度阿智村後期高齢者医療特別会計予算については、歳入歳出総額52,992千円とそれぞれ定めるものであります。
 以上が本日上程させていただく案件であります。このほか今会期中に補正予算のほか若干の案件について追加提案致しご審議いただく予定であります。上程の都度ご説明いたしますのでよろしくご審議いただきますようお願いいたします。

おわりに

 冒頭で申し上げましたように第5次総合計画の後期計画つくりを行います。
 どのような村を目指すのかにかかわる村つくり目標でありますが「一人ひとりの人生の質を高められる持続可能な村」という村つくり目標は変えないで行きたいと考えます。しかし、この目標は、従来の「活力ある・・」というように村の形を表現することと違い、住民のみなさんの生き方にかかわったもので、具体性に欠けておりそれぞれの住民の皆さんの思いによって解釈可能な余地の大きいものでありました。どのような村をつくっていくのかが見えないといわれてきました。住民の皆さんが力を合わせて村の仕事の足らざるところを協働して補い、公共領域を広げていくという住民主体の村づくりを基本に今日まですすめてきました。主体的に地域つくり等を進めてこられた皆さんにとっては、この目標は効果的であったと思います。しかし、多くの住民のみなさんが、村つくりに取り組んでいただくためには、この目標を誰でもがかかわってみたくなる、わかりやすい具体的な言葉に置き換えることが求められます。

 昨年ブータン国王夫妻が来日し、ブータンで進められている「しあわせ度」という言葉が話題になりました。後期計画の5年間は、国内外にとっても大きな変動が予想されます。人口減少を招いている地域経済の衰退の原因である我が国の経済政策は現状では転換される見込みはありません。経済同友会は、より現状政策を前に進めようとしています。TPPへの参加や道州制の導入等が行われればさらに地方は衰退していかざるを得ません。グローバルグな社会がもっと進み、中山間地の我が村においてもそれらの動きを直接受けることになります。加えて、少子高齢化は進み、国の財政も厳しさを増してきます。こうした中で、国の経済政策に沿って衰退を受け入れるのか、それとも地域内循環の経済を目指して再生への努力をするのかが問われるものとおもいます。集落や耕地の存続等住民意思に基づき村が主体的に軸足をしっかり持って判断をしないと大きな国の動きに翻弄されてしまうことが考えられます。どのような村をつくっていくのか今一度住民みなさんと現状をふまえて考えてみることが欠かせません。まず、「一人ひとりの人生の質を高められる持続可能な村」の具体像をみんなで描いてみたいものであります。

 村の将来にとっても大きな影響を与えることになると考えられる中央リニア新幹線について、昨年飯田周辺に駅が出来ることが決まりました。現在環境アセスを巡って県とのやりとりが始まっています。本村からも、トンネル掘削に伴う温泉への影響について配慮するよう意見を上げております。南信州広域連合においては、「将来ビジョン」を作成し圏域全体の発展のために「ビジョン」を元に取り組んでいくこととしております。昼神温泉地を抱える本村としても、土地の投機的な先行取得等リニアを見越しての動きに十分注意を払うと共に、リニアや三遠南信道開通に対する対応についても研究していくことが必要になると考えます。

 現在既成政党不信や、議会不信振等が原因と思われる新しい動きが始まっております。いわゆる「橋下ブーム」というものであります。地方自治の世界で繰り広げられているこれらの「自治体ポピュリズム」の動きについて、申し上げたいと思います。
 橋下氏は、「地域主権」を掲げています。私は、従来より「地域主権」という言葉はあり得ないと考えてきました。我が国の憲法は「国民主権」を規定し、自治体については「住民主権」が正しい考えであるからであります。国防、外交等の重要業務以外を、地方業務とし国の役割を地方に肩代わりさせ、これらの業務を行うために、一定規模の行政体に地方政府を作り替えるというものであります。そのために「道州制」を導入するという考えであります。「道州制」導入論者である橋下氏が地方自治体を統治機構と位置付け地方自治の本旨で云う、団体自治と住民自治の内住民自治を極端に薄める手法をとっていることに「地域主権」の本質を見ることができます。
 また、特に橋下氏が危険だと思うことは、現代社会で同じような格差の中にいる住民を、巧みな話術で敵味方に分けて住民を分断し、一方を攻撃することにより権力を掌握する戦術を行使していることであります。その時に、マスコミをうまく使うことであります。このような、橋下氏の政治手法や、競争主義を助長する新自由主義的な考えにも否定的でありますが、一方、私達は、橋下氏を支持する根底にある、強力なリーダーシップ待望論に注目しなくてはならないと考えます。格差が拡大し閉塞感が支配する社会変革への期待に議会制民主主義をはじめとする、戦後民主主義の制度が正しく機能しないことに対する住民のいら立ちがあると考えなくてはなりません。
 「税と社会保障の一体改革」においても、現政権は同じ手法を使っております。国会議員の削減や公務員削減を消費税導入の世論操作に使っています。国民はこれに対して好感を持って見守っています。「民間会社もリストラされているのだから、公務員も当然だ」という心情であります。ここには国会議員の役割や公務員の役割という本質の問題は配慮されていません。
現行選挙制度の下で国会議員の数が少なくなれば国民の声が届きにくくなることや、公務員の数が少なくなればセフティーネットが手薄になることなど考えの中にありません。ましてや、2001年から2009年の10年間に企業所得は平均して年約15兆円も増えているのに、雇用者所得は年当たり5兆円も低下していることなど知らされていないところでの判断になっております。「自治体ポピュリズム」に陥らないで、正しい道筋を歩むためには、手続き論や建前論を乗り越え、今おきている課題の本質を住民のみなさんが理解して判断されるような議論を行うことが我々に求められていると思います。

 今議会の論議を通じて24年度の進むべき道筋を明らかにして頂くことをお願いしてあいさつと致します。