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平成16年09月定例議会 村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2004年9月1日更新

平成16年度9月定例議会をお願いしご審議をいただくに際し、ごあいさつを申し上げるとともに、主だった議案についてご説明申し上げます。 まず私事になりますが、今回の病気入院につきましては、業務山積の中で公務を離れることになりご迷惑をおかけいたしました。幸い早期発見であったおかげで公務に復帰いたすことができました。入院中は議員各位を始め村民の皆様方にはお見舞いや励ましのお言葉をいただきました。恐縮に存じるとともに心から感謝を申し上げる次第であります。 さて、7月29日に日本国中を沸かせたアテネオリンピックが閉幕いたしました。今大会の日本選手の活躍には目を見張るものがありました。柔道のメダル獲得を筆頭に、史上最高の37個のメダル獲得という大健闘でした。金メダル数においてはアメリカの35個、中国32個、ロシア27個、オーストラリア17個に次ぐ16個と世界5位の成績であり、ここ何回かの大会が不振であったので今回の成績は際だって見えます。 青少年の無気力や青少年犯罪が大きな社会問題になっている中で、同年代の選手の活躍は我々に多くの教訓を与えてくれるものであります。オリンピックで勝利することは、並大抵の努力でできるものではありません。素質もあり、恵まれた練習環境が用意されているとはいえ、極限状態の練習の積み重ねがあったものと思います。競技後のインタビューに応える選手に共通していることは、自分のために頑張ったこと、という自己実現への強いこだわりを持っていることでありました。現代の若者はしっかりとした目標が確立できれば大きな力を発揮する可能性を秘めていること、さらにその目標を実現するだけの力を備えていることを感じます。我々は大人社会の論理の押しつけで、子供の成長の芽を知らず知らずに摘んでいるのではないか。個々の子どもが目標に向けて成長の芽を伸ばしていけるような支援の必要性を、強く感じます。  現在国においては17年度予算の概算要求額がまとめられており、これと関連して国と地方の財政負担が大きな問題になってきています。「三位一体の財政改革」の中身をめぐっての問題であります。 国の財政は、「景気回復で税収環境は上向きとはいえ、それでも一般歳出の半分止まり。少子高齢化で社会保障関係費が膨張し、国と地方あわせた長期債務残高は700兆円を突破。いくら歳出を抑制しても借金は減らない未曽有の財政危機にある。」状況です。大幅な歳出抑制を進めていますが、中央においては省庁間の利害が対立する中で思うように進まず、一方で地方交付税を中心とする地方財源の削減が具体化してきています。3兆円規模の国から地方への税源移譲が当面する「三位一体改革」の目標であります。今年度においても1兆円規模の補助金カットが行われましたが、移譲された税源は少なくその上地方交付税の一方的削減が行われ大きな政治問題になりました。 今回小泉首相は、削減する補助金リストの作成を地方へ丸投げしました。削減する3兆2千億円をめぐって様々な論議が交わされました。特に義務教育費の国庫負担金をめぐって全国知事会で激論が戦われ、最終的には中学校分8千5百億円を含めることになりました。 しかし、今回の論議を通じて、地方分権と財源移譲をめぐる問題で、地方の側において認識の違いが明らかになってきています。この際可能な税源移譲は何でも行いたいという考えと、国が当然保障すべき義務教育費や生活保護費は国の負担で行われるべきで、負担金の削減対象に入れるべきでない、という考えです。結局田中長野県知事等の主張は通らず、前者の考えで押し切られてしまいました。この事は重大な意味を持っています。地方分権を主張するあまり、戦後我が国の民主主義を支えてきた枠組みを大幅に変更することになるからです。すなわち憲法で保障する基本的人権にかかわる問題は、全国どの地域にいても国家が保障するという原則の放棄であり、地方交付税制度の根幹をなす原則の否定を地方の側で認めたということになったと思います。 税源移譲だけを行えば、東京都のように税収の多い自治体は裕福になるが、税源の乏しい自治体はますます貧乏になっていくというのでは、自治体間格差は増し人の住まない自治体が出現することになります。最低でも憲法で定めるシビルミニマムだけは国家がしっかりと財源保障することでこそ、どんな自治体にいても安心して住めることになります。 残念ながら、国全体の動きは地方交付税の財源保障機能の縮小という方向に動き始めております。来年度以降の交付税削減は、今年度以上になることは避けられない状況にあると見なくてはなりません。税源移譲も求めていかなくてはなりませんが、我々にとっては、地方交付税制度の堅持、特に財源保障機能の継続を強く訴えていきたいと考えます。 「日本経済はゆるやかな回復軌道にのった」といわれるように、あらゆる経済指標が上向きを示しています。しかしながら総務省が発表した7月の労働力調査によると完全失業率(季節調整値)は、4.9パーセントで、前月より0.3パーセント上昇したことになっています。中国特需やアメリカの景気回復に支えられて上昇傾向になった経済の中身は、決して安定的に全職種を上昇させるものでないことが指摘され、特に地域経済への波及はごく限られた地域の範囲にとどまっているといわれています。 こうした状況の中で本村の景気動向は、製造業においては前年同期の180~200パーセント増という企業もでており、おしなべて回復感が出てきています。しかし、納期、単価等は厳しいものがあると同時に先行きについては不透明なものがあり、雇用を拡大するところに至っておりません。小売業、土木建設業においては依然として厳しい状況であります。また観光業において中小規模の施設では伸び悩む等、景気回復という状況になっておりません。先日地方事務所が公表した地域経済の自立度調査によりますと、飯伊地方の多くの市町村の自立度が50パーセントを切る中で、本村は96パーセントと最も高い位置にあることが明らかになりました。長年の産業施策の成果でありますが、外部からの所得移動が多いということであり、その所得を地域にどれだけ滞留させるかが住民の暮らしにつながります。そのためには地域内循環の仕組みを構築することが当面の課題であります。 以上のような村を取り巻く状況の中で、今大きな課題を背負っています。それは人口問題であります。今日まで6千人の人口を維持してきたわけでありますが、この8月には6千人を割ってしまいました。出生より死亡が多い自然減は恒常的に続いておりましたが、社会増でかろうじて減少を止めてきたわけですが、それが地域経済の低迷の中で減少に転じてしまったわけであります。高齢者人口が増える中での人口減は、若者や働き盛りの人口の減少であり、村の将来にとって大きな問題であります。我が国全体が少子化の傾向を強めているわけですから、本村だけが例外というわけにはいきませんが、人口減を食い止めることは大きな課題であります。村全体の施策としては住宅の確保や子育て環境の改善等にとりくんでいるところですが、何より若者の働く場所の確保を進めなくてはなりません。 また、人口問題はもっと別の角度で考えてもらわなくてはならない問題でもあると考えます。たとえば、智里西地区を見てみますと、現在は保育所へ毎年何人かの入所がありますが、数年後にはいなくなります。出生児0が続くからであります。このまま何年も0でいくことはないと思いますが、地域の共同体の活力は低下していくのではないかと思います。横川の集落をみると、50代以下の成人は現在7人という状況で、他はほとんど高齢のみなさんです。高齢者同士が今は助け合って生活していますが、いずれそれもできなくなることが予想されます。集落が無くなることになるかもしれません。このような現象は横川集落だけにとどまらず、第二の横川の危険性を持った集落は村内にいくつもあります。 人口減による地域共同体の崩壊を防ぐことは、村の力では限界があります。集落の維持や子供を地域に残すかどうかは、個々の家庭の計画に委ねられるからであります。村のできることは、地域や個々の家庭計画実現のための条件を整えることや支援を行うことであります。横川の人々の多くは、自分の最盛期に他に土地を求めて移転の準備をした人があって今日があるわけです。 農地や山林がかつてのような価値を持たなくなった現在、自分の住む地域をどうしていくのか、自治会を中心に真剣に考えてもらわなくてはなりません。また、村民の皆さんについては、自分自身の自立的なライフプランに基づく方針をふまえて、地域づくりに積極的に参加してもらいたいと思います。 今後人口問題を中心にした取り組みを強化していきたいと考えます。  現在我々は、自立計画に基づく様々な施策に取り組んでおります。中で最大の課題は、合併協議の申し入れがあった浪合村との合併の問題であります。多くの村民の皆さんの中には未だ「なぜ自立を選択しておいて、浪合との合併協議を進めるのか」という疑問を抱いている状況が先日のアンケートで伺えました。隣村からの申し入れがあった場合、阿智村の自立計画に掲げる理念を共有できるのであれば協議に応ずる、というのが方針でありましたが、自立は単独に限らない説明が理解されなかった結果であります。今後の説明の中で、理解が得られるように心掛けていかなくてはならないと考えます。 既に3回の任意協議会を経て合併後の大枠が明らかになってきました。浪合村の自立計画は、ほとんどの事務事業をストップする中で、保育料を始めとして住民負担軽減による人口維持対策を最優先とするものでした。阿智村との単純差額では、直接の住民負担の差額が2,100万円程、診療所や山村留学、老人福祉等の阿智村にはない、あるいは阿智村を上回る経費が3千万円強あります。これらの扱いをどうしていくのかが任意協議会の大きな検討事項でした。合併によって急激な変化を行うことは望ましくないので、5年間は現状維持で進め、その後調整をしていくというのが大方の結論になっています。阿智村については自立計画を変更するものでありません。 合併による財政効果や両村の観光資源を活かした観光施策等についても、将来構想策定会議や新しい村づくり会議等で検討され、任意協議会段階での報告も出されることになっております。これらを基にして、浪合村では合併の是非を問う「住民投票」が10月に予定されております。阿智村としては、この結果を受けて住民意思の確認を行いたいと考えます。「住民投票で」という意見もありますが、編入する側であり合併によって大きな変化を予想しておりません。今から方法は決めないで、状況を見る中で判断していくことがよいのでは、と考えております。短期間で方向を決めなくてはなりませんので、村民の皆さんにはこの間情報提供や説明会等を行い合併について判断頂けるようにしていきます。  7月に庁内機構の見直しを行い二ヵ月が過ぎました。今回の庁内機構の見直しの大きなねらいは、組織面では、縦割りの弊害や請負的な一人係からくる閉鎖性を廃していくこと。業務内容としては、新たな行政需要に応えるため事務事業の拡張を進めてきた行政から、それぞれの内容を充実することで行政効果を上げていくことであります。現行の制度や事業がつくられてきた過程や目的が長年のなかで忘れられ制度や事業だけが継続されてきているものが多くあるように思います。制度や事業が今日の状況の中で初期の目的と異なったものになっていないか、目的達成のためにもっと工夫や改善すべきことはないのか、必要がなくなっていないか、をしっかりと見極めた行政を目標にしていきたいと考えています。仕事の「ワングレードアップ」を目標に取り組んで参ります。特に役場だけで行政を行うのではなく、多くの村民の皆さんとの協働の輪を広げることがなくてはならないと考えます。 過日、東南海沖でマグニチュード7.3という地震が連続して発生しました。地震対策の強化を急ぐ必要があります。防災計画に基づいた実践的な対応を、全ての人が共有できるようにする必要を感じています。 情報化事業につきましては、現在情報通信にかかわる各社からの提案を受けて、どのようなネットワークの構築が本村にとって最も望ましいか検討している最中です。限られた金額の中ですが、利用される皆さんが使いやすい方向で基盤整備を行っていくつもりでおりますのでお願いいたします。  さて、本議会に提案いたします議案について申し上げます。 本議会に提案する案件は、人事案件2件、決算案件9件、補正予算案件5件、事件案件2件であります。 人事案件は、教育委員の2名がこの9月末日で任期満了になりますので、この後任の方の任命について同意頂くものであります。 決算案件については、平成15年度各会計の決算について認定頂くものであります。 一般会計については、歳入総額37億2,166万779円、歳出総額35億3,971万2,851円、差引額1億8,194万7,928円、翌年度へ繰り越すべき財源3,241万5千円、再差引額1億4,953万2,928円であります。授産事業特別会計は、歳入総額5,331万2,627円、歳出総額5,277万 4,894円、差引額53万7,733円。国民健康保険特別会計事業勘定は、歳入総額4億4,082万7,990円、 歳出総額3億9,390万5,413円、差引額4,692万2,577円。直営診療施設勘定は、歳入総額492万4,518円、 歳出総額460万724円、差引額32万3794円。老人保健医療特別会計は、歳入総額7億4,521万62円、 歳出総額7億3,168万8,366円、差引額1,352万1,696円。村営水道特別会計は、歳入総額2億1,871万6,003円、 歳出総額2億221万2,425円、差引額1,650万3,578円。温泉事業特別会計は、歳入総額4,675万6,105円、 歳出総額4,446万5,597円、差引額229万508円。下水道事業特別会計は、歳入総額5億6,059万2,192円、 歳出総額5億5,728万4,327円、差引額330万7,865円。介護保険特別会計は、歳入総額3億8,855万8,358円、 歳出総額3億8,855万8,258円、差引額100円となります。いずれの会計も黒字で決算できました。 一般会計の状況は、単年度実質収支額2億8,510万6千円と14年度の2億391万8千円を上回りました。今年度も公債費の繰り上げ償還を1億1,017万円おこないましたので、実質上の収支総額は3億9,527万6千円になります。この要因としては、14年度と比較し投資的経費が半額に減額され、人件費や公債費等の義務的経費も3,935万2千円減額されたことで一般財源に余裕が生じたたことによります。 ここ数年の財政改革によって、財政状況を示す指数は好転しております。経常収支比率は財政規模が縮小したため77.9と高い数値ですが、起債制限比率は、13年度9.3が6.6になり、公債費比率も13年度16.2が13.3と改善されてきております。  税等の収納状況についてであります。景気の低迷を受けて一向に改善されません。助役を先頭に対策チームを作り、収納係を専属にして鋭意努力しているところであります。 特に固定資産税の滞納額が大きく過年度分1千万円であり、15年度分850万円ですので、今年度への持ち込みが1,850万円となります。また国保税の滞納は大きな問題です。15年度末の収入未済額は、一般被保険者分で1,287万2千円と保険税調定額の1割になっております。税負担の公平性から見てもこのまま放置するわけにはいきませんので、強硬手段も実施する等滞納額減少に努めて参ります。水道料、下水道料等にも多額な滞納額があります。関係各課が協力して滞納整理を行うように取り組んで参ります。 決算内容については助役に説明させますので、ご審議の上認定くださいますようお願いいたします。  次に一般会計補正予算第3号について申し上げます。歳入歳出 2億9,496万2千円を追加するものであります。今年度当初に交付税が地方財政計画を参考に約2億円減少すると見込みましたが、起債償還分を除く基準財政需要額が、保育所運営費の一般財源化に伴う増額が4千万円ほどありましたが、総額では8千万円ほど減額され、昨年並みの16億9千万円が決定になってきました。臨時財政対策債が86,720千円減の199,900千円でした。また15年度からの繰越金も増額が確定しましたので1億1,953万2千円を追加します。これらの財源を財政調整基金に5,976万6千円、中学校の建設基金に1億円積み立てます。今年度建設を計画しておりましたデイサービスセンターと知的障害者通所施設について、国の補助金も確定してきました。また、実施設計を行う中でより使いやすい施設にするための事業が追加されてきました。これらの費用を今回追加しました。県の補助金を受けて観光情報発信システムを構築するための費用も計上しました。このほか地元施工の土地改良事業補助金、文部省の委託事業としての体力向上実践事業、災害復旧事業等必要な追加を行いました。 4つの特別会計の補正予算も上程いたします。 次に過疎地域自立促進計画の変更の承認を受ける案件であります。デイサービスセンターに係る事業について、過疎債の該当にするため計画の変更を求めるものです。また辺地計画の変更については、堆肥センター建設とこれに関連して田代橋の拡幅改良の2つの事業を辺地債該当にするため計画変更を求めるものです。これらの案件については、上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしくご審議の上議決頂きたいと思います。  今定例会は、議員のみなさまにとっては今期最後の定例会であります。4年前村民のみなさまの期待を担って、議会に籍を置かれご活躍頂きました。特にこの時期は我が国の経済が危機的状況に陥り、村の経済もその影響をもろに受け低迷が始まった時期でもありました。また、国の財政赤字も深刻さを増し、小泉構造改革が始められ、地方にそのしわ寄せが及んできました。このように右肩上がりで進んできた路線が、急激な大転換を余儀なくされました。  村政についても従来事業の見直しや費用対効果をしっかりと見極めた事業執行が求められました。当然議会活動も変化せざるをえなかったと思います。今までの住民要求実現と行政のチェックが中心とされてきた活動から、政策提案や事業選択の責任が求められるようになりました。熊谷議長の当時の言葉をお借りするなら「アカウンタビリティ」すなわち住民に対する説明責任が問われることになったのです。事業の見直し縮小、起債残高の削減という大変厳しい行政環境の中で、第4次総合計画の後期計画の策定、将来を見据えた事業実施にお力を注いで頂きました。後半の2年間は、国の強引ともとれる合併推進の中にあって阿智村の将来を左右する選択を行って頂きました。また議員定数削減という決断も行われました。4年間のご努力に対して深甚なる敬意と感謝を申し上げます。浪合村との合併協議の途中であり、今任期中にその方向をお決め頂く等任期いっぱいまで重要な問題が山積しております。よろしくお願いいたすと同時に、引き続いて村政に対するご指導たまわりますようお願い申し上げます。