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平成13年12月定例議会 村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2001年12月1日更新

 定例議会開会にあたって一言ご挨拶を申し上げます。
新しい世紀の幕開けである2001年を私たちは希望を持って迎えたのでありますが、今世紀の混迷を懸念される大変な年になってしまいました。
冬の豪雪、夏の酷暑と地球環境の変化ではないかという異常気象現象が続きました。風雨による災害がなかったことが本村にとっては救いでありました。
9月11日に発生した米国の同時多発テロ、これに対する報復を掲げた10月7日からの米軍等によるアフガニスタン攻撃は様々な問題を投げかけております。8日の新聞報道ではタリバンがカンダハルを放棄して「オマル師の政権は終わった」と報じられていますが、この問題はこれで解決したとは到底言い得ないものであります。軍事的制圧でテロを引き起こす国際的な問題は解決したのか、「ショウザフラッグ」の呼びかけで自衛隊派遣に踏み切った我が国の対応は等今後も大いに論議されなくてはならない問題であると考えます。このことによって多くの人々の命が奪われたわけで一刻も早い真の平和が訪れることを願うものであります。

深刻さを増してきました我が国経済はこの間更に危機的状況を呈してきていると言っても過言ではありません。内閣府が7日発表した今年7-9月間の国内総生産(GDP)は、前期マイナス0.5%で、2期連続減少率マイナス2.2%であり、消費不況、デフレの深刻化を示すものでありました。
「グローバル化した時代における経済成長は、労働力人口ではなく、「知識・知恵」である。「知識・知恵」は、技術革新と「創造的破壊」を通して、効率性の低い部門から効率性や社会的ニーズの高い部門へ、人・資本を移動することにより、経済成長を生み出す。」これは経済財政諮問会議のいわゆる骨太の方針の一節であります。小泉首相のいう「改革なくして成長なし」の改革の中身を表しております。
大手ゼネコンの青木建設の倒産に対して小泉首相の言った言葉がこれを端的に表しています。「構造改革が進んだ成果である」というように倒産というマイナス現象を評価しているように、効率の低い事業、企業等は積極的に潰していくというのが現在進められている構造改革なのであります。

このほど発表された経済財政白書は、効率の悪いものを潰した結果として景気の上向きが来るとしているのですから、今時点での景気の回復は期待できません。それどころか今後も企業倒産や失業者、効率の低い部門に属する山村や、農林業には厳しい状況が今より続く事を覚悟しなくてはなりません。さらに、経済財政諮問会議の「2002年度予算編成の基本方針」は、財政構造改革を最優先として「日本経済再生元年」と位置づけ、公共事業の大幅削減などを通して地方への歳出削減による地方負担の増加を目指しております。
また、このほど発表された長野県の予算編成における状況も、極度の財政悪化を理由にさまざまな事業の中止や削減が行われる見通しで更に我々市町村財政は困難を増すことになります。このように地方経済や地方財政に改革の矛先が向けられてきております。我々地方は、生き残りをかけていよいよ覚悟を決めて今後の課題に取り組まなくてはならなくなったと感じます。
先日西部農振でご講演いただいた南信州地域問題研究所の鈴木先生は、「地域成立の基本条件」を

  1. 産業間のバランスを保ちながら、富が持続的に拡大再生産すること。
  2. 富を始め、社会と文化の発展を担う人間の生命が、緩やかに拡大再生産すること。
  3. 住民が共同と自治を基礎に、相互理解を深め、相互発達をする条件を確立すること。
であると言われました。
経済、人が拡大再生産されると同時に地域の共同が創られ人間らしく生きていける所が地域として成立できることであるといっておられます。
本村をこの物差しでみた場合、
(1)については、昭和37年以来工場誘致を始め農業からの転換によって農、工、商、観光も加わって適度のバランスを持って経済発展をしてきましたが、現在では全ての経済指標がマイナスを示し、消費不況やや製造業の流出、低農産物価格等で縮小傾向にあります。
(2)についても、かろうじて数年来人口維持が続いていますが、少子高齢化は極度に進み高齢化率は28%に達し、今後は人口減が確実視されます。
(3)については、住民の皆さんによる地域づくりの活動に加えて、新しい自治と共同への取り組みが始められてきており発展を期待できる状況にあります。

以上の現状認識に立って「持続可能な村づくり」という目標実現を図るためには、
(1)については、村外からの企業誘致等の他力依存から、地域の持つ経済的資源を再評価、再発見し創造的に活用することにより地域の経済再生を図っていくことが必要であると考えます。
農地や観光資源等現在ある経済的基盤は最低でも守っていくことが大切です。
(2)については、若者定住に結びつく対策や、全ての子どもの発達を保障できる保育や、教育環境の充実を進めると同時に、高齢者の社会参加の充実等住民の方が意欲を持って地域づくりに取り組める環境を醸成することにより人々にとって魅力的な地域づくりを目指すことが大切であると考えます。
(3)自治と共同を更に発展できる状況を作り出すことです。今までは行政へ要望することにより地域で暮らすために共同の力で解決しなくてはならないこと、あるいは共同で対応してきたことにも行政が手を出してきました。しかし、これも財政に余裕があったからできたことでこれからはできません。自治と共同の進まないところは必然的に地域が崩壊せざるをえなくなります。住民の皆さんの自発的研究や提言、実践と地域の自治と共同のまとまりである自治協議会の活動が発展するようさらなる行政改革が必要であると考えます。
以上のことは、言葉を換えれば住民主体の行政ということになります。それは、「やってあげる」から「やらせていただく」行政への転換であり、住民の皆さんからは、「やっていただく」から「やらせる」への転換であります。何をどうするかは主体である住民の皆さんが決められることであります。こうした変革なくして今日の困難を乗り越えることはできないものと考えます。このことは、現在行われております各自治協議会ごとの地区懇談会で申し上げているところであります。

予算編成について

さて、来年度の予算編成についてであります。只今作業を行っておりますが編成にあたって次のことを基本においております。

(1)必要最小限の骨格的予算

国の財政支出削減、税収の減など歳入財源の減収が確実視される中にあって、従来の事業継続を見直し本村を維持していくためのぎりぎりの歳出を明らかにできる骨格的な予算を編成する。

(2)真に必要な分野への戦略的配分

事務事業の見直しや重点分野の設定などについて充分な検討を行い「持続可能な発展の村」の為の重点事業を明確にし、限られた財源を新規事業というより継続的事業のグレードアップを中心とした真に必要とされる分野に配分する。

(3)村民への情報開示

予算編成に関する情報を村民と共有し、村民と共に村づくりを進めるため、予算編成の事務事業の見直し過程を公表し、村民要望や意見を予算に反映させることにより、村民への説明責任を果たしうる予算編成とする。

特に
  1. 予算形態は従来の科目編成から事業別に編成する。
  2. 予算規模は、標準財政規模(約27億円)に近づける。
  3. 起債残高を増やさない。
  4. 事業ごと独立採算性をめざし、扶助、負担の適正化を図る。当然公共料金の値上げ等も考える。
  5. 補助金は当初ゼロペースとし交付団体の説明会を行い原則事業補助に限定する。
こととしました。
以上の方針に基づき事務を進めておりますが、できるだけ早い時期より議会においてもご協議いただき、議員の皆さんの提案についても当初予算に反映できるようにしてまいりたいと考えております。

町村合併

次に、国において進められております町村合併についてであります。先日議会においても池上さんの講演会を持っていただく等お取り組みいただいております。先日も東京で開かれた全国町村長大会においても国の強制的な合併推進に反対を表明しました。しかし、交付税の段階補正の改悪(従来最低が2,000人以下の段階があったのを4,000人への引き上げる等)が進められており、理念で反対ばかりを言っておられない状況に追いやられてきております。しかし、我々のような小規模町村にとって何一つ住民の方にプラスが考えられない合併を推進していくことはできないものと考えます。南信州広域連合においても「自治体としての市町村のあり方研究会」も発足いたしますので村としてもこの方向での研究を庁内、外で行ってまいりたいと考えます。住民の皆さんの中でも関心が高い問題でありますので、できる限りの情報の提供を行い自由に討論していただけるよう配慮します。

今年後の事業

次に、今年度の主な事業についてであります。
心配しておりました「湯ったりーな昼神」でありますが、当初の予想を早めて11月23日に入場者数10万人を達成することができました。村民の皆さんの利用についても、現在330人ほどの方が水中運動に申し込まれ健康づくりへの取り組みが始められております。
\また、富士見台の「万岳荘」の利用状況でありますが、約900人の方が宿泊でご利用される等、山の会の人々の管理のご努力もあって順調な状況で推移いたしました。
昨年9月の災害復旧事業でありますが林道事業3ケ所を残して完了いたしております。県で発注されております事業についても今年度末には完成の予定であります。
備中原に建設いたしております介護予防施設を始め道路改良、下水道事業等順調に工事が進んでおりいずれも年度内完成ができるものと思います。
今定例会でご審議いただきます案件について申し上げます。
今定例会には人事案件1件、条例案件5件、報告案件1件、契約案件2件、予算案件8件であります。人事案件は固定資産評価審査委員会委員の任期満了に伴う選任について御同意いただくものであります。条例案件の内下水道条例の1部を改正する条例は、大口加入者の方について加入しやすくするために使用料を改正いたすものであります。報告案件は、牛海綿状脳症(BSE)発生による飼育農家への生活資金貸し付けを行う件について、その為の予算補正を専決で実施しましたので一般会計補正予算第3号についてその承認を受けるものであります。
契約案件については、昨年9月に発生した林道災害の内都合により発注を延期していた横川地区の林道工事をこのほど入札いたしましたので5,000万円以上の工事2件の契約議決を得るものであります。
次に予算案件でありますが、一般会計補正予算第4号の主なものは巡回バス事業に供するバスと第1小学校のスクールバスの更新を過疎債により購入するもの、有機緑化材製造工場に対してふるさと財団資金を貸し付けるもの、下平に建設いたしております若者定住住宅を6戸追加して建設するもの等規定の予算に140,243千円を追加するものです。この他各特別会計補正予算については、必要な補正をお願いするものであります。特に介護保険特別会計については、施行後2年を経過し在宅者へのサービスが大幅に伸びたことにより補正をいたすものであります。今後も施設介護を始め支出が伸びることが予想されます。以上概要を申し上げましたが上程の都度詳しく説明いたしますので、よろしくご審議の上議決いただきますようお願いいたします。
11月28日また交通事故による死者が出てしまいました。今年になって2人目の死者であります。すでに今日までに国道153号線においていく人もの死者を出す交通事故が発生いたしており、昨年必死に事故死者0を目指して運動していただいた努力も水泡に消えてしまいました。今後決して交通事故による死者を出さない決意で望まなくてはなりませんが、現状では道路そのものが凶器になっていると考えざるを得ません。道路環境の抜本的改善を行う必要があるものと思います。
県事業団の廃棄物処理施設については、12月2日の知事発言について議会としてもご協議の上12月5日に知事に対して質問要望書を提出し本日までに回答をいただくことになっております。現在進行中の事業に対する誤解を招く発言であり今後かかる軽率な行為をなさらないよう要望するものです。現在下流域であります飯田市三穂地区で様々な検討がなされ本村にもいくつかの質問も出される等微妙な段階であります。当初から私が申しておりますように、飯田市において環境保全のための協定締結の可能性がでるまで本村の協定の締結は見合わせたいと考えます。
入り込み客の低迷が心配されていた各種の観光施設でありますが、この秋の、昼神温泉については事業者の大変な努力で、施設によってばらつきはあるものの良好な入り込みがあったとお聞きしております。引き続いて消費不況が続いておりますので営業等ご努力いただくと共に、村としてもできる支援はいたさなくてはならないと思います。また、経営問題等大変心配いたしております「ヘブンスそのはら」でありますが、このグリーンシーズンは、営業に力を入れた結果昨年比137%増の79千人の入り込みがありました。この冬は全国初のハローキテイに会えるスキー場としてリニューアルオープンするわけで多くの入り込みに期待したいと思います。併せて経営問題は依然と解決いたしておらないわけですが、現下の状況では再びこのような事業実施は考えられないので、村としてもできる支援は行いながら事業の継続に努めなくてはならないと考えます。
来年度から始まる学校5日制等教育を取り巻く状況は、子供を持つ親を始め大きな関心事になってきております。当然教育委員会において対応を研究していただいているところでありますが、次代を担う子どものことでありますからみんなで充分話し合い、適切な対応を準備する必要があります。
ご心配いただいております税を始めとする各種納入金の滞納についてでありますが、鋭意督促に努めいくばくかの改善が進んでおりますが、景気の低迷で新たな滞納が発生する等解決ができません。今後もこの解消に努めてまいります。
国の補正予算で雇用拡大の予算が認められておりますが、本村としては公園管理等1,500千円を要求いたしております、また2次補正も予定されておりますが、有利な事業がでれば集会施設建設をいくつか予定いたしておりますので活用してまいりたいと考えております。これらは決まり次第議会におはからいいたします。

最後に

最後にお礼を申し上げます。来年2月10日をもって私が村長を務めさせていただいた任期が終了するわけでございます。微力な私に対しまして議員各位を始め村民の皆さんのご支援とご指導、御協力を賜り心から感謝を申し上げる次第であります。懸案でありました廃棄物処理施設の受け入れにつきましては、一応の結論を導かせていただき関係事業も進められております。特に私が訴えてまいりました「変革」すなわち住民主体の行政運営につきましては、自治協議会の再生や職員の意識の改革、等私自身の弱さの故に道半ばの状況にあります。地方自治体を取り巻く環境は日増しに厳しさを増してきており、住民の皆さんの望む行政に対してご満足いただけないものであったのではないか、と反省の連続であります。
21世紀を担うリーダーは柔軟な頭で住民の皆さんの主体的な力を引き出し、正確に調整できる能力のある人が求められているものと思います。そう考えるとき、私がそのようになれるかどうか自分自身としても大変疑問を持つものであります。しかし、今日降りかかっている様々な問題は、1期務めさせていただいた経験を土台に私が務めさせていただかなくてはならない、それが今日まで支えていただいた皆様に応える道であると考えるに至りました。足りないところは私が謙虚に精進することで応えてまいりたいと思います。今後ともよろしくご指導いただきたく重ねてお願いいたす次第であります。
以上申し上げあいさつといたします。