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平成13年03月定例議会 村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2001年6月1日更新

本日ここに、村議会議員のみなさまにお集まりいただき、平成13年度当初予算を始め、村政の重要案件についてご審議いただきますことについて、心より感謝申し上げます。本村は、昨年9月12の豪雨に続いて、1月末には50年来の大雪に見まわれました。住民の皆さまにおかれましては、除雪および大雪被害の復旧にご尽力をいただき感謝を申し上げると共に、被害に遭われた皆さまに心よりお見舞いを申しあげます。

さて、提出議案の説明に先立ち、村政を巡る状況につきまして所信の一端を申し上げ、ご理解をいただきたいと存じます。
村長就任以来、丸3年が経過いたしました。この間議員各位を始め、村民皆さんの御協力をいただき山積する問題にあたらせていただいてまいりました。しかし、今私は越えなくてはならない大きな山にさしかかっている感を、深くいたしております。

「地方自治は住民こそが主人公である」が、私の村政に望む基本的な考えであり、「住民主体の行政」遂行に心がけてきました。
廃棄物処理事業団の廃棄物処理施設の問題にあたっても、社会的に必要な施設であるという認識の中で、「自治とは自らの問題を自らが治めることであるから、辛くても逃げないで、真っ正面にとらえて処理していくことが大切である。」と議員の皆さんと共に確認いただき、住民の皆さんが主体者として結論を出していただくことを目指して、進めてまいりました。
そのためには、住民の皆さんが判断をするための材料を、的確に提供することを目標として「社会環境アセスメント」を実施してきました。その結果長い期間を要しましたが、多くの住民の皆さんが納得される形で、議会において受け入れを決めることができました。
この過程での情報の不徹底さや、住民の皆さんの積極的な参加が少なかったこと等、充分その目的を達成できたとは言えませんが、多くの教訓を与えていただきました。

そして、今私たちはこの教訓を受けて、新たな選択をしなくてはならない時を迎えていると考えます。 現在我が国は、21世紀の入り口にたって構造的な大きな問題を抱えて迷走しているように感じます。先日の国会において森内閣の不信任決議案が出され、否決されました。しかし政局は流動的であると言われており、安定しておりません。一方、日本経済は3月危機が言われるように、低迷の度合いを一層深めております。株価、失業率等どの数字をとっても、先行き不安を示す一方であります。一刻も早い景気の回復を望むものであります。/p>

こうした中で、国の13年度の予算が衆議院を通過いたしました。1月に中央省庁再編があり、行財政改革を期待したのでありますが、依然として国債に頼るもので、新規国債発行額は、28兆3,000万円で国債発行総額は前年度を14.7 %増の約98兆5千億円が発行されることになります。これにより負債残高は、国と地方を合わせ666兆円に達しました。
また、13年度地方財政計画によると、恒久的減税による3.4兆円を除いて10兆円程度の収支不足を見込まざるをえない状況であります。すでに12年度までで、交付税特別会計の借入金の地方負担分は26.3兆円になっており、地方交付税の法定負担分の2年分を、先食いしたことになっております。このため今回の不足分の負担は、国と地方の責任の明確化や、透明性をはかるためとして、一定分を地方が特例地方債を発行して穴埋めすることにしております。このように、地方公共団体は己の責任による特例地方債の発行という、さらなる厳しい選択を迫られるに至っております。

こうした状況を反映して、国は市町村合併を強力に推進してきております。3,000自治体を1,000にするのがねらいであります。平成12年度中に各県において合併パターンを示すことを義務付けましたが、長野県においては合併パターンを示さない「合併推進要綱」を提示しました。今後、平成17年を目途にした合併推進が強まることが予想されます。

こうした中において、本村も大きな困難を抱えています。地域経済は、いっこうに明るさが見えない我が国経済の影響やグローバル化によって、製造業を中心に大きな痛手を受けています。また観光業、商業においても、消費不況という中で需要が回復せず危機的な状況であります。農業に至っては、輸入農産物の影響や流通の変化によって価格低迷が続いており、生産意欲の低下が懸念されます。このように国の経済の悪化は、住民生活にも大きな影響をもたらしております。一方村の財政は、約100億円、住民一人あたり150万円強の借金を抱えながら、引き続いて多額な経費を要する下水道事業の継続をいたさなくてはならない状況下にあります。借金の主なものは国の財政措置のあるものですから、国の財政システムが続く限り決定的な影響を受ける心配はありませんが、先に述べたように国の財政が大きな問題を抱えており、地方財政計画においても限界が明らかになった今、安心ができる状況でないと認識しなくてはなりません。

このように、このまま阿智村を維持していくことが出来るのかどうかという中において、どのような道を選択するのがよいかが問われております。5年間の猶予措置による過疎債等をできるかぎり利用して制限比率一杯の事業を行うべきか、将来のために事業縮小を行い財政の健全化に心がけるべきか、さらには有利な財政措置のある合併受入の道を歩むべきか、単村としての方向に掛けるべきか、具体的に選択が迫られています。このときこそ行政運営の本質が問われるものと考えます。

借金財政を当然として受け入れていくのか、自立的な財政運営を目指して財政構造の見直しに着手するのか、大胆に住民のみなさんに問うことが大切であると考えます。先日、朝日新聞の社説にイギリスのサッチャー元首相の言葉が引用されておりました。それは事業への助成金を要求した人に「あなたは、これ以上子供のポケットに手を突っ込んでお金を取るのですか」と言ったというものです。
今我々はこの言葉から学ばなくてはならないと思います。これは一方的に禁欲や負担を求めることではありません。市場原理や公共事業による景気対策等を基本に進んできた経済や、財政、政治の仕組みを考えてみることであると思います。私は、避けて通ることのできないこの問題解決のため、議会議員を始め住民のみなさんとともに、解決の手法の検討も含めて取り組みを行わなくてはならないと考えます。

以上の観点にたって、住民の方々が主体的に考えることのできる素地を作ると同時に、共同や自立、自治の村づくりに向けての取り組みを強化して参りたいと考えます。平成 13年度の行政執行に当たっては、とりわけ共同や自立、自治の村づくりを具現化し、持続可能な村を目指していきたいと考えます。その持続可能な村を目指す上で、次の点が課題と考えます

1点目は、定住人口を増やすということです。
昨年の国勢調査の数値をみましても、本村はここ25年間に亘って人口が横ばいで推移しております。県内の町村の多くが人口が減少し過疎化が進行している中で、人口の減少に歯止めが掛かっているということは、特筆すべきことと考えますが、人口構成をみると高齢化が確実に進んできていることがわかります。集落によっては、高齢者の割合が大変高くなっている地域もあります。このことは、生活基盤である地域の活力の低下を招き、地域のコミュニティの存続をも危ういものにしかねません。これらの状況を打開するために定住人口のを増やすこと、とりわけ若者の定住をどう増やすかは大きな課題といえます。また、 人が住み続けるための子育て環境等人口維持の施策も大切であると考えます。

2点目は、産業振興をどう進めるかという点です。
持続可能な村を目指すには、そこに暮らす住民が豊かさを実現するための産業の振興は欠かすことができません。国の経済は、景気が底を打ったと言われて久しいにもかかわらず、 未だ足踏みの状況を脱しきれず、地方の経済も全く出口が見えない状況です。本村の産業もそしてそこで働く人たちにとっても厳しい状況が続いています。農業、観光業、商工業それぞれどう振興していくのか、重要な課題です。

3点目は、住みやすい環境をどう守り維持していくのかという点です。
環境には自然環境と生活環境の両面があります。私たちの住む阿智村は、周りを山に囲まれ清らかな水の源を有する自然豊かな村です。この自然環境を守り維持していくことは、観光業や農業の基盤となると共に、人々の生活に潤いを与え、子供を育てる上でも重要な要素であります。そしてこの自然環境を守るということは、ひとえにこの村だけの課題でなく、広く日本全国、ひいては地球全体の課題であるとの認識に立ち、考えていかなければならないと思います

生活環境の整備も、この村に住み続けるためには大事な要素です。し尿や生活排水の適正処理の推進、廃棄物の減量とリサイクルなどは、引き続き追求していかなければなりません。
また、廃棄物処理事業団の処理場建設がいよいよ始められますが、環境保全協定の案分検討が進められております。環境改善に資する施設として設置、運営されるようさらに研究を進め締結向けて協議を進めます。

4点目は、個々の村民の内面の豊かさを充実させ、共同の地域社会を作るという課題です。
人がその場所に住み続けようと思うのは、住環境の良好さ、安全性はもちろんですが、その地域が落ち着ける場所であることも大きな要素と考えます。これには地域の中でのコミュニティの充実や文化、スポーツ活動といった生活に潤いを与えるものの存在が重要になってきます。
また、共同、共助といった地域社会の本来持つべき機能が充実していることも、地域に永く住み続けるための要素になります。そういった意味でも、自治組織の機能強化を図ることも重要になってきます。

そして5点目は、以上の課題解決の基盤となる財政の持続性、健全財政の持続を目指す、という課題です。
国の財政の苦しさがそのまま地方財政に波及して、地方財政が国に劣らず苦しいという構造的な状況は、一自治体だけではとうてい解決できる問題ではありません。しかしいま阿智村に暮らしている私たちが、これからもこの地で永く暮らしていくであろう子や孫のことを思いやって、財政の健全化を目指していくことは当然のことであります。実施事業の選択を行う中で、健全財政を目指していきたいと考えます。

さて、今議会に提出いたしました平成13年度予算案、その他の案件につきましてご説明いたします。平成13年度一般会計予算は、総額は38億3千4百万円です。昨年が38億2千万円ですので、1千4百万円の増であります。しかし、13年度予算には、災害復旧費の増が2億円余ありますから実質的には、2億円の減額となります。村債については昨年度より3千万円減額しました。
特別会計につきましては、1会計が廃止になりましたので10会計となり合計は25億円であります。

以下主要施策について申し上げます。

第1に「個性を尊重し心豊かな人生を送れる村を目指す」についてであります。

学校教育には、第一小学校に昨年に引き続いて村費教員を充てる費用として380万円、第1,第2小の校舎修繕等の工事請負費に700万円、中学校にも引き続いて村費教員を置くと共に、障害を持つ児童生徒のための介護者賃金と、外国人等帰国子女指導のための賃金を盛り、行き届いた教育環境をさらに目指します。今後は週休2日制の完全実施や、教育改革に対応した施策を進めなくてはなりません。
また、中学生のアメリカホームステイ、住民の海外研修費用を引き続いて措置しました。
特に社会教育については、住民自治の高揚を期待し充実を図ります。公民館活動の見直しによる活性化や、若者の組織化が期待されます。また、IT講座に102万円を計上しました。
昼神にあります「ふるさと童画写真館」については、観光案内がガイドセンターに移転して以来、施設改善がいわれてきましたが、今回改修費として2,000万円を計上し充実を図って参ります。また、東山道を観光面からも売り出したいと考えていますが、同時に学術的な面を深めるために「東山道サミット」の経費を予算化いたしました。

第2に「誰もが健康で、心安らぐ村」についてであります。

健康で一生を過ごすことは、誰もが望むことであります。高齢期を迎えると当然機能が低下するわけで、これを防ぐことを目的として 「活き、活き90」 を合い言葉に、子供からお年寄までの健康づくりを進めます。人的には保健婦を1名増やし、新しい温泉施設「湯ったりーな昼神」のプールを活用した水中運動を、すべての村民が体験し実践できるように進めます。また、専門家も交えて、水中運動の普及、検証のためにの研究委員会を組織し研究を行います。
介護保険制度が始まって2年目になり、さらに充実を目指しますが、特にデイサービスの利用者が増えておりますので施設の拡張に1,400万円を、介護保険外のサービスに1,048万円を盛りました。
子育て支援センターや学童保育に260万円を計上し、またブックスタート事業として、新生児への絵本プレゼントを始めます。保育園での各種保育サービスをさらに進めると共に、引き続いて保育料の軽減を行います。

第3は、「地域を支える力強い産業の村」についてであります。

高度成長の中で順調に伸びてきた本村の製造業も、今大きな転機にさしかかっております。象徴的なことは、健全経営を維持してきた「アイカユニオン産業」さんが、今月末をもって工場を閉鎖することです。製造業については、事業環境の改善等できる限りの支援を進めなくてはなりません。観光業についても、お客さんが一定訪れていただいている今のうちに、観光環境の整備を進め、できる支援をしなくてはならないと考えます。商工観光業の支援のために、新たに不況対策資金利子補給制度を新設し、商工会への補助金1,100万円、ポイントカード補助金450万円も計上しました。観光協会へは引き続いて事務局へ職員を派遣すると共に、補助金1,800万円を盛りました。
また昼神、園原、富士見台等の観光地整備の費用を計上しました。このほか、電源地域振興センター事業を取り入れ、昼神温泉を中心に園原、伍和を結んだ健康保養地構想の研究に着手します。
農業については、村を作る基盤産業と位置づけておりますが、農地の荒廃をこれ以上増やさないための施策や、農産物の有利販売、観光との連携等の費用を盛りました。農地情報システムの構築に847万円、加工施設新設に1,000万円、中山間地の直接支払制度に1,300万円、今年から始まる県営中山間地域総合整備事業に地元負担分として1,600万円を計上しました。

第4は、「自然と共生する便利で快適、安全な村」についてであります。

国においてはこの間、循環型社会を目指して様々な制度の改善がなされてきました。これをさらに村としても強化発展させる必要があります。廃棄物処理の適正化を目指して、新しいゴミ処理に850万円を計上しました。西部衛生負担金7,800万円、広域ゴミ処理負担金600万円を計上しましたが、広域ゴミ処理費が今後増えていきます。
今年度は、9月の豪雨災害、1月の豪雪と大きな災害を経験しました。災害に強い村づくりをさらに進めると同時に、災害復旧を完了させます。また、いつ起きても不思議ではないといわれる「東海沖地震」を念頭に「地域防災組織」の強化を進め、このための地域リーダーとして地域安全委員の設置や、避難用毛布・非常食の配置のために170万円を盛りました。
若者定住促進対策としては、若者定住住宅を智里東に建設する費用に1億3千9百万円、若者定住住宅建設資金の利子補給制度を新設しその費用として280万円を計上しております。
中関の村営住宅団地の老朽化に伴う改築に向けて、用地購入費として4,300万円を計上しました。
主要地方道天竜公園阿智線、三遠南信自動車道の工事も進められておりますが、村道については大方は改良が終了している、という認識に立って重点改良を進めます。下河原橋に1億5千7百万円、園原殿島等道路改良に9千450万円を当てます。
上水道については、横川の飲料水供給施設を2千540万円で行います。
下水道等水洗化の推進については、大野農集排施設がこの4月より供用開始します。下水道については引き続いて会地処理区の事業を進めます。合併処理浄化槽の設置も30基を目標に行います。
村民のみなさんの要望の強い村内循環バス運行については、ゆったりーな昼神への送迎を考慮し、開発公社へ委託し強化します。このための委託料として500万円を盛りました。

最後に、「住民主体の村」についてであります。

今年度から「部落広報説明会」を行い、情報の提供を進めると同時に村政へのご意見をいただくことで、身近に村政を感じてもらう事業を行ってきました。今後さらに情報の共有化につとめると共に、自治組織の発展を支援いたします。自治活動を進めてもらうための振興費補助金として50万円を計上しました。
また、住民のみなさんが自発的な組織を作り、自由に村政に参加し活動してもらうために村づくり委員会の制度を作り、組織の活動補助金として100万円を盛りました。今年は、合併45周年の年に当たります。このための費用として、村政要覧の発行ほかで311万円を計上しました。

以上、主要な事業について述べましたが、このほかにも住民要求や時代の要請にできるだけ応えた予算編成に心掛けてまいりました。

 専決処分事項1件は、1月の降雪に伴うものと、災害復旧に伴うものについて補正した、一般会計補正予算第5号であります。
契約案件は、温泉利用公営施設に伴う工事契約の変更についてであります。
財産処分については、大野,中野農産物集出荷施設を約束により大野中野農家組合に無償譲渡いたすものであります。
条例案件については、新設条例案3件、一部改正条例案9件、廃止条例案3件の15件であります。新設条例案件のうち温泉利用公営施設の設置および管理に関する条例は、多額の経費をかけた施設が真にその目的を達成するために管理等を阿智開発公社に委託し村民利用を始め温泉地の活性化をねらうものです。一部改正のうち富士見台山小屋設置条例については、萬岳荘の管理を中津川市と共同で組織した運営協議会に委託し、ヘブンス園原と連携した活用により活性化を図るものです。また旅費の改正については、経費削減のため出張日当の廃止を行うものです。
特に、積立基金条例案件は、中学校改築費用の積み立て基金を新設するものと、阿智開発公社の再編強化によって新しい公社事業を進めていくために、事業運用に当てるための事業基金を新設するものであります。上程の折に細部の説明をさせていただきます。

予算編成に当たっては、議会において何回かに亘って、当面する諸課題を中心に協議を重ねていただきました。さらに、長期に亘る会期の中で、数多くの議案についてご審議願うことになります。審議を十分尽くされた上で議決いただきますようお願いいたします。

以上、新しい年度を迎えるに当たっての所感を申し上げ、私の挨拶といたします。