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平成21年03月定例議会 村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2009年3月1日更新

暮らしを支える社会システムを

はじめに

3月定例議会にご出席頂き、平成21年度予算をはじめ重要案件についてご審議頂きますこと感謝申し上げます。

毎日の新聞を開けば、昨年の前半では最大の利益を上げたと報道されていた我が国のビッグ企業を始めとする企業の減産、減益、作業員解雇のニュースが大きく報道されています。

昨年10月から本年の3月までに職を失った、もしくは失う見通しの非正規労働者の数は157,800人に達したと厚生労働省は発表致しました。さらに正規職員で職を失う人は9,973人になるとしています。長野県においても、失職非正規労働者は7,652人になるとしています。景気の後退が私たちの暮らしを直撃し先行きの不安が高まっている今日の状況を打開する道は、いっこうに見えてきていません。

アメリカ中心の金融バブルがはじけ、一瞬のうちに世界同時不況に発展し輸出依存度の高い我が国経済が大変な危機に直面していることは、先日発表された年率換算12.7%の減少のGDP等あらゆる経済指標で明らかにされています。資本主義経済体制の中では、周期的に訪れる景気変動は避けて通れないことでありますので、一刻も早い回復を期待いたすものであります。不況の深刻さも大きな問題でありますが、雇用の喪失や、職を失うこと即家を失う等働く人々の命にかかわる問題に経済現象が直結してしまうわが国の状況は異常であると考えざるを得ません。こうした人間性を無視した状況がおきていることは、多くの人々により指摘されてきたように、世界の経済大国と云われている我が国の政治が国民本位に展開されてこなかった帰結であり、そのことが鋭くえぐり出されたのであります。この現実から、今、新たな国の有り様を私たちは考えなくてはならないのではないでしょうか。

こうした状況は、私どもの村においても、例外なく同様に生じています。ある程度経済活動が順調であった時は乗り越えられていた問題もいったん収入が減少し始めるとすぐに顕在化してしまい様々な問題に発展してしまいます。

なぜこうした国になってしまったのか考えてみることが欠かせません。そうしたことを考える上で参考になる一つの論文がある月刊誌に掲載されました。今から10年前の1998年「構造改革論者」として政府の審議会等で活躍した中谷巌氏の「竹中平蔵君、僕は間違えた」という一文であります。氏はこの中で、我が国の雇用不安や医療崩壊、自殺率等社会問題の状況を述べて「どうして日本こんな国になってしまったのだろうか。この根源的な問に対峙した時、私はこの10年、日本社会の劣化を招いた最大の元凶は、経済グローバリズムの跋扈にあった、と考える。」と述べ、「構造改革」がもたらした様々な問題を列記したのち「あるべき社会とは何かという問に答えることなく、全てを市場任せにしてきた「改革」のツケが、経済のみならず、社会の荒廃を招いてしまった。それがこの10年の日本の姿であった。」とし「構造改革論者の急先鋒であった私の懺悔すべき点は、「社会」へのまなざしを欠いていたてんに尽きる。」と述べております。

既に、「構造改革」については、多くの心ある人々が警鐘を鳴らしてきました。私も議会あいさつ等で引用させて頂いてきました、経済評論家の内橋克人さんは、「市場原理主義」を「実体経済」を破綻させ、人心を荒廃させる「悪魔のサイクル」を産み出すとして、これに変わるものとして、地球環境の悪化を止めること、経済中心でなく人間中心の持続可能な街をつくること、人間同士の関係を深めてゆくケアーモデルの確立の三点を提唱しました。(「悪魔のサイクル」より。)こうした警告に耳を貸さず、国民は「郵政選挙」においてみせた民意のように、「構造改革」を積極的に容認し、これを加速させたのです。

ご紹介した、中谷氏と内橋氏の二人に共通していることは、人の営みの場としての「社会」の構築こそ持続可能な社会を創るキーワードであるということであります。しかし、明らかに構造改革のひずみが国を覆っているのに、国の施策は、未だ市場原理主義に基づく「構造改革」の枠組みで進められております。特に国民の命と最も深く係わる厚生労働省の施策すら顕著です。医療制度改革、介護保険改革、後期高齢者医療制度、障害者自立支援法と市場原理主義にとらわれた施策が進められています。

国民の安心を取り戻すためには、この流れを断ち切り福祉や医療の施策の転換をまず行うことであると考えます。このためには、国に向かって政策の転換を要求するのみでなく、我々自身が、家庭や社会を維持し、本当の幸せを実現するための価値とは何かを真剣に議論しなくてはならないと考えます。そのうえで、「構造改革」「市場原理主義」を中心とする政治に対抗できる社会を創り出す原動力にならねばならないのです。私たちの村で今取り組んでいる「協働の村づくり」は、まさにこれを実践に移す取り組みであります。

村という行政体は、二つの社会システムで成り立っております。一つは、住民のみなさんが自然発生的な組織である「家族」や「自治組織」であり、もう一つは、ある目的のために自発的に組織された「社会福祉協議会」や「農業協同組合」のような、相互扶助や共同作業を行うための組織があります。この社会システムが拡大していくことが安心で持続できる村を創り上げて行く要因であると思います。なぜなら、行政のシステムが、制度に基づき住民個々の意識とは関係ないところで組織されているシステムであるのに対して、二つのシステムも、住民の義務として強制させられたものでなく、自らの幸せと他人の幸せを同一視する、自主的な意志によって動かされるシステムであるからです。福祉の立場から考えるならそれは「人の循環システム」であり、経済の立場では「富の循環システム」であります。「協働の村つくり」とは、様々な暮らしに係わる分野において様々な社会システムの拡大が図られていくことでありあります。

行政は、なるべく制度の枠組みにこだわらないで、住民の皆さんとともにこれを実現していくため、職員を含め行政資産を活用していくことであると考えます。

政府は経済対策を掲げて20年度第2次補正予算を、続いて21年度予算を国会で議決させました。一刻も早い対策の実施により現状の打開が進むことを期待致すものでありますが、消費低迷が続いており輸出頼みの経済から内需への転換は容易でなく不況脱出には時間が掛かることを覚悟せねばならない状況であります。村内のあらゆる産業において、厳しい状況が続いております。このため、人口減少がとどまりません。村存続のためには、人口の減少に対して対策を講じることが欠かせません。そのためには、産業の振興による働き場の確保を進めることは大切でありますが、人々が住み続けられる条件には、医療や福祉、文化や環境等の充実が欠かせません。暮らしやすさは、これらの分野と別々にかかわっているのではなくトータルとし充実しているかどうかで決まるものであります。人口減少が続いていることは、暮らしやすさを実感できないところに起因するのですから、これを止めるには、経済をはじめあらゆる分野で現状より上の状況をつくり出すための施策が望まれます。

そのためにお金や物が今以上必要になりますが、現在村の財政や経済状況からは、税や交付金の増額や村外からのお金の者の移入は期待できません。今できることは、今日までつくってきた様々な制度、サービス等の施策や施設、現在地域に在る資源を組み合わせることによって今より高い状況をつくり出していく以外にはありません。幸い、当村で進めています個々の施策は、周辺町村と比較しても決してひけをとるものではなく、逆に、充実したものも多くあります。これらを具体的にどう結びつけるかが問われているのです。

この点につきましては、議員の皆さんは、過日議会が立命館大学の平岡教授を招いて学習された、「地域経済の循環システム」のお話から多くを学び取られたものと思います。例えば、このシステムを構築し運用するためには、物と物、人と人を結びつける人と組織がなくては成り立ちません。この役割は、できれば民間セクターが担っていただき行政が支援することが望ましい姿であります。しかし、民間側に資金や人材等の理由で担えない場合は、行政が関与した形で進めることが必要になります。これには、行政が直接関与するか、また公社や行政出資の会社によって行うかが考えられます。

経済にとどまらず、福祉の分野においても、子育てにおいても、何らかの「社会システム」の構築が急がれているのです。こうした考えに立って、まず、行政にかかわるものが行政の使命として認識し、意識的に進めてまいらなくてはならないと考えます。

平成21年度予算編成

平成21年度予算編成にあたり考慮した点について述べます。
まず住民のみなさんに開かれた予算編成であります。予算は行政執行のすべてを決めるものでありますので、この編成過程にどれだけの住民の皆さんがかかわっていただけるか、村の財政状況を理解して要望等を出していただけるかが、住民主体の行政を進めていくうえで重要であります。また、議会においても政策提言が最も具体的に実行へつなげるのが予算編成過程での協議であります。編成にあたっては、前例にこだわらずに、事務事業評価、住民要望、議会提言をもとに今必要なことを重点に行いました。

第5次総合計画2年目となる21年度は、20年度で頭出しをした様々な施策をさらに発展させる道筋をつける年と位置付けました。さらに、現在の経済状況の中で、経営と暮らしを守ることに配慮しました。この件につきましては、昨年秋に庁内に「緊急経済対策本部」を設置し、村独自の施策や国の対策を受けた施策を進めていますが、さらに厳しさは増しており、経営ばかりではなく生活の困難な状況が進むものと思いますので足りないところは、その都度必要により対応してまいります。

21年度予算においては、雇用促進のための基金を国の交付金で創設し、これを原資に3年間にわたって交付されますが、村においてこれに対応する予算をもってあります。村独自としては、ホームヘルパー資格取得のための受講者に対する補助制度を設けました。

第5次総合計画では、5つの基本理念に基づく将来像に向けた基本姿勢として次の5点を上げてあり、これに沿って取り組んでまいります。

  1. 「集落計画」策定による集落の維持を図ります。
  2. 自治会等との協働を推進し、住民主体の村づくりを進めます。
  3. 基盤産業である農業を支援し、観光業をプラットホームに商工業と連携し、産業  振興を図ります。 
  4. 若者定住施策等により、人口維持を図ります。 
  5. 「全村博物館構想」により、住み続けることに誇りを持てる村づくりを進めます。
以下、前期計画の項目に従って21年度において行う施策のうち新たに取り組む施策を中心に述べますと、

教育、文化の向上

子育て支援では、子供や家庭の状況を関係者間で把握し、同時に共通の課題を探り実践に移していくために、あらたに「子育て支援ネットワーク協議会」を組織します。

特に、現状の景気を反映して、親の生活が大変になっている家庭もあります。そのことにより子育て環境が悪化しているケースも見られます。子供がしっかり育てられるための支援を行います。

また、小学生の放課後学童保育を充実します。新たに浪合小学校を公費負担します。また第三小学校については、現在にプレイパークの充実が検討されていますが、具体的になったところで負担します。第二小学校については、保護者間で検討がなされるよう働きかけます。

第3子の保育料無料をはじめ保育料の軽減や医療費無料化等の支援を引き続いて進めます。今回新たに乳児の「細菌性髄膜炎」予防のためのワクチン投与に対する補助金制度を設けます。

学校教育の充実では、統合中学校の建設を進め、学力の向上のための施策については、引き続いて様々な支援を行ってまいります。

家庭教育の支援については、必要さを感じながらも前進していない分野であります。子育ての原点は家庭であるという認識に立って具体的な計画をたて取り掛かります。

保育所についてでありますが、多様な保育要求にこたえられるよう体制を整えることが求められると思いますが、現状ではスペース的に余裕がありません。今回、春日と駒場の保育所の統合による新保育所の建築を行い、合わせて多様な保育要求にこたえられる施設整備を行います。

社会教育の充実についてでは、本村の住民活動が活発に行われている原動力は、公民館を中心にした社会教育に負うところが大きいものがあります。系統的な学習や地域課題に的確にこたえられる活動に期待します。

また、この夏には「全国社会教育研究全国大会」が本村で開かれます。伍和と智里東公民館の改修を行います。

文化振興と文化財について

文化振興と文化財についてでありますが、昨年「園原ビジターセンターははき木館」がオープンしました。また、全村博物館構想を具体化するための有識者懇談会や講演会が開催されました。さらにこれを進めてまいります。

清内路村で昨年開催した「こども環境サミット」を今年も開催します。子供たちが3日間共同生活を行い、環境問題を考えそれをミュージカルとして発表するイベントであります。今年度はメインゲストとして雪村いづみさんが出演される予定であります。

一昨年、瀬戸内寂聴さんに書き下ろしていただいた狂言「木賊」について何らかで生かされることを期待いたします。

福祉、保健、医療の充実

次に福祉、保健、医療の充実では今回、この三点を総合的にとらえてあるべき施策をご審議頂くための「保健福祉審議会」を発足させます。この審議会の審議を通じて、中長期的な施策が出されることに期待致したいと考えます。委員には村外からの専門知識を有する方にも御委嘱致したいと考えます。公募枠に積極的に応募されるよう期待いたします。

重点施策として位置付けております、健康づくりであります。介護保険や、国民健康保険の分野から本村を見た場合、決して健康について他の市町村と比較して、意識的に行政も住民の皆さんも取り組まれている村とは言えない状況が続いております。健康に対する住民の皆さんの意識をどう高められるのかが、いま最大の課題であります。

健康と福祉を考える会で、住民のみなさんにも、本村の健康診断受診率の低さが認識され、寸劇風で健診受診への啓発活動も行っていただきました。この機会を逃さず具体的な推進策を講じる必要があります。特定健診にとどまらないで、がん検診についても多くのみなさんが受診され、早期発見に努めて頂きたいと考えます。できるなら多くのみなさんが、病院で人間ドックを受けて頂ければと思います。

14回の妊婦健診の無料化、不妊治療補助等を継続します。

高齢者の肺炎による死亡を防ぐために、75歳以上の高齢者に肺炎球菌の予防接種の補助を行います。

新型インフルエンザ対策が急がれております。対策マニュアルに基づく備えも必要であります。

2月27日には、ゆったりーな昼神に取り付けてあります、「マイクロバブル」効果の検証を中心にしたシンポジウムが開かれました。利用されております3人の方の体験談もありました。温泉利用についても、もっと活用されるように致したいと考えます。

介護保険については、21年度より第4期介護保険計画がスタートいたします。年々要介護者の増加と介護費用が上がってきており、加えて介護従事者の待遇改善による費用単価の上昇で保険料の引き上げは避けられない状況にあります。

介護サービスについては、在宅介護が大半を占めており、家庭介護の負担が大きいのが現状であります。家庭介護者の介護軽減は喫緊の課題であります。村内介護サービス提供者の体制充実にできる支援を行うと同時に、ショートステイの増床を計画いたしました。

高齢者福祉については、介護予防を目的としたサロン活動をさらに充実しますが、介護予防という範囲にとどまらず、高齢者が積極的に社会参加や、健康つくりの場として高齢者クラブと連携した活動を各地区で進めます。

シルバー人材センターの活動を引き続いて支援し、仕事提供も積極的に行います。

障がい者福祉については、在宅生活の支援を充実すると同時に、道路等のバリアフリー化等遅れている社会整備を進める必要があります。新しく「夢のつばさ」による、グループホームが開所されます。

地域福祉計画については、社会福祉協議会が自治会等に地域福祉協議会について話し合いを進めています、さらに福祉委員の皆さんの協力もいただき地区福祉協議会ができるよう支援したいと考えます。

医療体制の充実についてでありますが、浪合診療所の医師確保を進めてきましたが、今年も常勤医師の確保がかなえられませんでした。県の配慮で昨年に引き続いて市立病院勤務医師が週3日の出張診療を行ってくださることになりました。引き続いて常勤医師の招致を目指します。浪合地区については、駒場への通院用の車の巡回を行います。清内路の2つの診療所が加わり村営診療所6ヶ所になります。医療体制のあり方を研究しなくてはなりません。

重点施策である、観光業をプラットホームにした産業振興についてであります。特に今日、誘致した企業は不況の影響を受け、地域経済に大きな影響をもたらしております。誘致企業のしめる本村経済への波及効果は大きいものがありますが、経済の動きが外で決められ地区内の努力ではどうにもならない状況にあります。

こうした時は特に、村内の対応で補えるような、地区内での自立的な経済の仕組みが必要であります。地区内の努力で、より大きな付加価値を創造する仕組みづくりが急がれております。観光という消費産業への商品(生産物)を供給することを柱にした地域経済の循環を構築しなくてはなりません。また、地域ブランドによる商品の開発等差別化による新たな産業の創出も急がれます。

これらを、コーディネートする組織として、阿智開発公社を据えることが最も良いと考えます。公益法人を巡っては、規制が厳しくなり、収益事業を行うことができなくなります。このため「鶴巻荘」の経営は、開発公社ではできなくなりますので、この際開発公社は本来の業務を担うものにしたいと考えます。「鶴巻荘」について、指定管理者方式で別法人に経営を委ねるか等について検討を進めます。

地域ブランド化については、まず村があるいは昼神温泉郷がブランドとなりうる魅力があるかが問われますので、商品開発に矮小化して考えないで、地域全体の価値を上げていく取り組みをさらに進める必要があります。商標登録等の具体的な処理については積極的に支援致します。

農業の振興については、農業委員会がおこなった村内の有休荒廃地調査において、有休農地156haあることが明らかになりました。このうち57haが各営農集団で検討が行われた結果復活すべき農地とされました。当面は、この農地復旧に積極的な支援を行います。復旧計画つくり、作物植え付け等にそれぞれ支援金を交付します。また、立木の抜根等復旧にかかる経費についても支援金を交付します。

農業後継者対策についても充実させていきます。45歳未満の新規就農者に経営支援金交付を含む無利子貸付金制度を新たに設けます。また、定住支援係と連携し農地斡旋や農業技術習得等の支援施策を進めます。

営農支援センターも理事の皆さんを中心に新たな本村農業の差別的な振興を進めていただいております。昨年のパーキングエリアでの野菜村に続いて、今年度は、名勤生協への「セット野菜」供給を始めることが決められました。こうしたことに対応するため、技術指導等の農協との連携を図ることが、過日の営農支援センターと農協幹部との協議により、モデル的な取り組みとして連携強化が確認されました。この方向に沿って進めてまいります。

村としては、昨年行った、柿むき機の補助を行ったように、これ以上農業を後退させない施策をタイムリーに講じていきます。
有機活用農業の振興についてでありますが、営農支援センターの重点事業として取り組んでいます。

林業の振興については、森林税導入による、県交付金が増額されてきますので間伐面積の拡大を行います。又、担当職員を増員し、公有林をはじめとする山林管理を進めます。

商工業の振興についてでは、景気の後退を最も受けている商工業の振興は、既存企業の維持が最も大きな課題であります。特に、商店の減少や大工等の、職人の減少が進んでおり住民生活の影響が心配されます。いずれの対応も、商工会と連絡を密にして様々な支援策を講じます。又、それぞれの企業についても、経営環境整備等必要に応じ個々の対応してまいります。

観光の振興でありますが、現在の景気状況を受けて、いずれの分野も入り込み客の減少に悩んでおります。村の主力産業である観光業は、村のあらゆるところに影響する産業であります。そうした中で、智里西地区の花桃は、毎年訪れる人が増え続けており、20万人を超えることが予想されます。1地区では、安全面その他、対応しきれない状況になりました。村全体で対応することが必要になりましたので私が実行委員長をお引き受けし大勢の村民の皆さんによるご協力で、せっかく訪れて頂いたみなさんに安全で、好印象を持って頂くように致します。広場や公衆トイレの整備を行います。花桃は清内路へも多くのお客さんが訪れますのでこれの対応も行います。

昼神温泉郷でありますが、厳しい環境でありますが、個々の旅館に置いて努力され大幅なお客さんの落ち込みを防いでおります。エリアサポートの特別誘客対策も3年目を迎え成果を表しつつあります。東京方面での告知につとめてきた結果様々なメディアで取り上げられるようになってきました。今回JR東日本との提携が急速に進み誘客が図られております。東京都内での送客の取り組みが、都内の各駅のビュウ(旅行案内所)で展開されており、先日は、駅構内へのポスター掲示と電車での中吊り広告による宣伝が4日間行われました。過日上京の折、私も状況をつぶさに見てまいりましたが、上野駅の東北新幹線ホームへの階段上部に花桃と昼神温泉の畳一畳分ぐらいのポスターが貼られておりました。これを仕掛けて頂いております、東京支社の橘営業部長にごあいさつを致してまいりましたが、今後も昼神温泉への送客を強めていくとのお話しでありました。今後は、おいでいただいたお客さんにしっかりしたもてなしができるかどうかに係っており、エリアサポートの仕事も温泉地内外の地域経営へと進むことが大切であると考え引き続いてエリアサポートを支援してまいります。

生活環境整備について

この件については、環境対策が重点施策と位置付けてあります。地球環境問題をはじめ環境対策は行政としても、今最も力を注ぐ施策でなくてはなりません。しかし、本村においては施策の大綱も定まっておらないのが現状であります。早急にこの問題についての懇談会を立ち上げ、住民世論も喚起する中で早急に具体的な方針を決めてまいりたいと考えます。

公共交通につては、現在、国の補助金を受けて3年間実証運行を含む研究を行っていますが、現行の方式を基本に見直しを行うことに致しております。信南交通に変わる飯田駒場線は、飯田市と共同で実証運行を開始します。
防災、交通安全については、智里西地区に衛星電話を設置致します。特に消防団員確保については、該当年齢者の多くが加入していただくよう取り組む必要があります。

定住人口増加・行財政計画・協働の推進

若者定住と集落維持と定住対策については、最も重要な課題であると位置付けて進めます。定住支援センターを庁内に置き職員を配置して定住情報の発信、移住希望者支援を行います。

今まで行ってきた、40歳未満の住宅地購入、建築、改築への100万円、100万円の交付事業を継続すると共に、若干額は異なりますが、これを新たに40代の方へ拡大致します。さらに、村内業者を使われた場合は上乗せします。空き家情報を集約して発信し、空き家を提供された方に片づけ賃として20万円を交付します。

集落計画づくりを引き続いて行って頂き集落維持に努めて頂きます。役場から遠く高齢化率が高い特定集落の維持のために、支援金の交付をはじめとする支援を行います。また、定住支援対象者の年齢制限をはずします。さらに、集落に移住された家族と融和を促進するため1家族当たり5万円を交付します。

住民主体の協働の村については、住民のみなさんとの行政情報の共有化をさらに進めます。地区懇談会等への出席が悪くなってきており、若い人の出席も少ないのが実情であります。主体的に住民のみなさんが参加されるにはどうすればよいのか検討してみることが求められています。又、女性のみなさんの参加を促すため、女性のみの懇談会も計画します。

行財政の健全化については、事務事業評価を適切に行い、議会はじめ住民のみなさんによる評価を求めます。

財政については、清内路も加わりますと公債費残額は、特別会計も含め123億円と多額になります。しかし、そのほとんどが交付税措置を受けられるものでありますので、実質負担は50億円弱ということになります。20年度末に5億円余の繰り上げ償還を致しましたので財政健全化比率の数値が悪化することはありません。しかし、中学校建設、保育園建設、防災無線のデジタル化と多額な費用を要する事業がありますので国の動向を見ながら健全化を最優先にして進めなくてはなりません。基金については、20年度末で、特別会計も含め45億円となります。

情報、通信については、ケーブルテレビのデジタル化を進めます。自主放送の充実を図ります。

連携、交流の推進については、清内路村での交流先も加え活発化していきます。念願であった、中京村人会の組織化を図ります。

又、観光とも関連しますが、都市からの児童生徒の受け入れやセカンドスクールの取り組みを充実させます。修学旅行等農業体験受け入れ農家等の拡大を進めるための支援を行います。

近年大学等の研究機関が、本村をフィールドに調査等で訪れ、研修の場所として使われることが多くなりました。既に、日本福祉大学、立命館大学との提携が行われ、日本高専学会のブレイクスルー研究所が置かれております。長野大学でも提携の研究が進められております。浪合の旧庁舎を活用して、こうした高等専門機関のネットワークをつくり、機関同士の連携にとどまらないで村民の学習に寄与していただく枠組みつくりに取りかかりたいと考えます。

次に、浪合地区、清内路地区の振興についてであります。全国町村会の平成の合併検証では、吸収方式で合併された地区の衰退が顕著であると報告されています。本村においても、浪合地区の人口減少が進んでおり、例外でありません。特に地区の主力産業であった観光産業が低迷しており、新たな地区づくり計画をもたなくては地区の衰退は避けられません。外部からの人や物の移入に頼っていた従来の施策から、農業や観光等を中心に内部で生産する仕組みに作り替えることを早急に行う必要があります。400戸以上ある別荘地の魅力アップをはじめ治部坂の再生に取り組むと共に、トウモロコシや高原野菜等農業生産の拡大等に力を注ぎます。自治会等でも地域づくりのための取り組みを強めて頂きたいと考え、振興費を増額しました。

清内路地区においても同じことが言えます。清内路の場合は、この4年余住民が主体的に行政や地域づくりに係わってこられましたので、合併後も継続して取り組んで頂きたいと考えます。自治会についても「清内路モデル」と云っても過言でない、立候補、公選による役員選出を行う等の新たな取り組みによってスタートされました。

しかし、清内路地区には、地域づくりに欠かせない経済活動が低調でありました。地区の持続性を高めるためには、一定の経済活動を起こすことが必要であります。

両地区とも、国の景気対策の交付金による地域つくりの拠点施設の改修、建設を20年度補正予算で盛り、実施は21年度で行われます。実施に当たっては、地区で十分話し合って地区振興が進められるものにして頂きたいと思います。また、緊急雇用対策も両地区分を別に計上しますのでこれの有効な活用がはかれるようにいたします。

本議会でご審議頂く案件

さて本議会でご審議頂く案件について申し上げます。事件案件2件、条例案件11件、予算案件8件であります。事件案件2件は、清内路との合併に伴うものであります。

条例案件のうち、主なものは、阿智村監査委員条例の改正は、収入役未設置によるチェック体制強化のために、行政監察委員を設置してきましたが、今回の自治法改正で監査員の増員が可能になりましたので、現行2名を3名に1名増員ができるように致すものであります。この間伊藤義成さんには行政観察員としてお勤め頂いてまいりましたが今回行政監察員は廃止致します。

一般職の任期付き職員の採用等に関する条例の制定は、雇用形態の弾力化を図り、特別な業務に従事する職員を採用できるようにするものであります。

阿智村介護保険条例の改正は、21年度より向こう3年の介護計画に基づく介護保険料を改正するものであります。介護費用の増や介護者待遇改善による介護単価の増で住民税非課税者のところで前期4,103円であったものが4,315円に引き上げられますが、国の緩和措置による交付金によって実際の保険料は4,260円になります。阿智村廃棄物の処理及び清掃に関する条例の改正は、し尿汲み取り料の値上げをお願いするものであります。下水道等の普及で汲み取り世帯が激減し合わせてガソリン等の値上げで一戸当たりの費用が大幅に上昇したことに伴う値上げであります。1本当たり25円値上げとなります。これにより、一世帯当たり平均で375円の負担増となりますがご理解をいただきたいと思います。

阿智村特別職職員で非常勤の者の報酬及び費用弁償に関する条例の改正は、報酬審議会の答申に基づいて農業委員と教育委員長の報酬を改定するものであります。また、特別職の職員で常勤の者の給与に関する条例改正は、昨年に引き続いて報酬月額を減ずるものであります。その他条例関係は、制度改正等により改正するものであります。

予算案件のうち平成21年度一般会計予算は、歳入歳出53億4百万円と、昨年度の阿智と清内路両村の合計56億3千6百万円より、3億3千2百万円減であります。歳入では、景気の後退で法人村民税を中心に昨年より58,197千円減を見込みました。又地方交付税は、国の予算では、昨年2.7%増を計上してありますが、景気の影響を受けて都市部の税収減に伴う交付税増が必要になることで配分が薄められることを見込んで290,000千円減としました。又村債は、臨時財政対策債103,400千円増の292,000千円と、中学校建設費に463,700千円を含む847,100千円であります。

歳出については、別にお配りしてあります、「平成21年度村づくりの重点施策と予算」をご覧いただきたいと思います。経常経費のうち人件費については、清内路との合併により昨年度より一般職員で9名増え、金額で133,376千円増えておりますが、昨年度両村合計と比較すると16,587千円減の863,801千円となります。

需用費、維持修繕費とも清内路分が加わりましたので増えております。公債費は、1,037,151千円と昨年度より127,821千円増となっていますが、清内路分169,344千円が加わっています。また、普通建設事業は、昨年度より255,817千円の増となっています。主なものは、中学校建設をはじめ伍和、智里東公民館の改修や道路改良等であります。一方特別会計への繰り出し金は、制度改正もありますが合併効果もあり123,002千円の減となっています。特別会計予算は、国民健康保険、老人保健、水道、下水道、介護保険、農業集落排水、後期高齢者医療の7会計であります。

本日上程した案件は以上でありますが、会期中に追加日程として一般会計補正予算等の案件を上程致す予定であります。いずれも、上程の都度詳しくご説明致しますのでよろしくご審議をたまわりたいと思います。

おわりに

この3月31日には、清内路村との合併による新村が誕生致します。短期間の協議でありましたが、順調に協議が進み合併ができますことは関係した皆様のご努力のおかげであります。浪合の場合もそうでしたが、今回の合併も吸収方式となっていますが、気持ちは対等という考えで進めてまいりました。清内路地区においては定住対策や産業の振興等, 課題はたくさんあります。しかしながら、まず住んでいるみなさんが清内路で住み続ける気持ちをしっかりもって頂いて、「やらまい、変えまい精神」を存続して頂くことを期待致します。ふるさと村自然園については、適当な指定管理者が現れて経営されるようですが、軌道に乗る迄の間補助金を交付しますが、みんなの施設として協力して頂くことが大切であると思います。先に述べましたが、新しくできた自治会を中心に共に村づくりに歩んでいくことを期待致します。

本村はかって国策にそって旧満州へ村をあげて開拓団員を送り、団員の皆さんが、その後戦火の中で尊い命を失い、また悲惨な逃避行の中で子供を現地の人に託してと、言語に絶する苦難の歴史を歩まれたことは忘れてはならないことであります。中国に残された子供たちの救済に一生をかけて奔走された故山本慈昭さんのご功績はわが村の誇りでもあります。このような過ちを再び起こさないようにとの願いを込めた「満蒙開拓記念館」(仮称)の建設が計画され、本村に建設用地の提供が要請され、山本さんゆかりの長岳寺下の村有地を提供することはすでにご理解いただいておりますが、今回正式に賃貸借契約を取り交わすことになりました。施設の性格から無償でお貸ししたいと考えております。一刻も早い完成を望むものであります。

現在地方自治制度を巡って様々な動きがあります。道州制論議は表だって出てきていませんが、経済団体を中心に検討が進んでおり、いつ表面化するか解りません。又、現在第20次地方制度調査会に置いて、審議が行われており、特に基礎自治体問題を巡って活発に論議が行われておりますが、特に注目すべきは、基礎自治体の性格について新たに「総合行政主体」という言葉が出されていることであります。これは、基礎自治体は、住民に必要なひとそろいの行政ができるようにしなくてはならないとし、それができない小規模の市町村は、基礎自治体として失格であるという考えであります。これを推し進めると、合併を推し進めるか、合併できない場合は「特例自治体」として、規格外に置くかであります。このような、国の都合の良いように自治体を再編する、「地方分権」は、許すわけにはいきません。これと関連して、飯田市が「定住自立圏構想」に基づく「中核市」に認定されました。「定住自立圏構想」とは、総務省の「定住自立圏構想研究会」(牧野市長もメンバーでした)が出した報告書に基づいて実施に移したもので、中心市の都市機能を周辺町村が1対1の協定により連携して定住自立圏を構成しようとするものであります。近々飯田市は「中核市宣言」を行います。総務省から副市長を招請し、具体的な取り組みが始められます。協定は、議会の議決を必要とします。いずれ、飯田市より具体的提案がなされますが、本村としてもそれを見る中で必要な協定の締結に向けて検討を進めたいと考えます。当面考えられることは、現在も市立病院勤務の医師の派遣を浪合診療所に受けていますがこれが該当します。この構想推進のために、中核市に交付金が交付される等の財政支援が周辺町村にも1千万円の交付金が交付される予定であります。

飯田下伊那では、既に広域連合があり、各種の共同事業を行っていますが、これとの関係が問題になります。広域連合は構成市町村が対等で決められますが、定住自立圏構想は、中核市の意向が優先されるものであります。定住自立圏は構想であって制度ではありませんが、広域連合は制度に乗った組織でありますから広域連合の共同事業を拡大することの方が有効であると思います。2つを組み合わせることによって、飯田下伊那地区の市町村の存続と住民の暮らしの安定が図られることを目指していくことが大切であると考えます。

現在、常備消防の広域化が進められています。国の方針で進められており、消防装備の高性能化等のために必要であると云うことであります。県の方針では、長野県を2つに分けて消防本部を置くことにし、飯田消防は中南信に属することになり松本に本部が置かれることになると思います。これについては、現在研究会ができ研究が行われております。今後研究会の報告に基づき方向が出されることになりますが、最終決定は各市町村の意向によることになります。

私事になりますが、今任期が21年度中に終了することになります。無事務めさていただければ、三期12年務めさせていただいたことになります。一期一期新たな気持ちで臨んでまいりましたが、第4次総合計画の10年が経過し、第5次総合計画が始まる等村を取り巻く環境も村をになう人々も大きく変わる中にあって12年は区切りの年数であると認識いたしております。