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平成20年12月定例議会 村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2008年12月1日更新

12月定例議会にご出席、またご審議いただきますことにまず感謝申し上げます。  皆さまにおかれましては、12月1日に臨時議会を開催され、新たな議会構成を決められました。議長に熊谷時雄さんを選出し船出をされたわけであります。地方分権時代を迎え、議会に対する村民の皆さんの期待は今までにもまして大きくなっております。新議長さんを中心に、活発な議会活動をお願いいたすところであります。  アメリカの低所得者向け住宅金融、サブプライムローンの破綻による世界同時不況の波があらゆるところに容赦なく、押し寄せております。多くの心ある人々が危惧していた「ルールなき資本主義」とか「資本の暴走」といわれていた弊害が、現実になってしまいました。  特にこの元凶であるアメリカ経済の状況は金融機関にとどまらず自動車産業の経営破綻へと及び深刻な状況であります。アメリカへの輸出によってバランスを保っていた我が国のビッグ企業も大きな痛手を被っています。つい数ヶ月前には、我が国のビッグ企業は、史上最大の利益を上げていたことが報じられていました。一方、市場原理主義に基づく「構造改革」によって苦境に陥った企業や地域、全就業者の3割を超すといわれる年収200万円以下の人々は、多くの人々が存続への不安をはじめとする大きな困難を抱えています。「格差社会」をおそったこの不況は、弱者に対してはさらに厳しいものです。今回の不況は、こうした者にとって一抹の望みをも奪い去るものになっております。  これに対する政府の対応は迷走し、有効な手だてを講じられない状況に陥っています。国は、第1次補正予算によって応急対策を講じました。しかしこれによる効果は出ていません。引き続いて具体的な経済対策を発表しましたが、第2次補正予算は具体化されず年明けまで持ち越される様相であります。考えられている対策は、生活給付金にみられるように思いつき的なつぎはぎが目立ち、根本的にこれを乗り越えられるものになっていないように思われます。その根本には世界の債権国である我が国がこのような経済危機に陥ったそもそもの原因についていっこうに議論されていないことがあります。  グローバル企業の海外展開を後押しするための経済財政政策によって、多くの日本国民は所得の低下を経験しました。代表的なのは、低金利政策、企業への優遇税制であります。「輸出や海外投資によりグローバル企業が稼いだ果実で国民大衆が潤うことができる」という神話を国民の多数は信じ込まされてきました。そのために戦後創られてきた、セフティネットである「規制」の「撤廃」や「緩和」を疑うことなく支持してきました。「"民"できることは"民"」で、「競争することでサービスは向上する」というかけ声を信じて、介護や医療、教育まで市場原理に投げ出すことを良しとしてきました。しかし我が国の経済危機をいっそう深めている原因は、この結果国民の購買力が低下し、内需が期待できないことであります。  今問われなくてはならないのは、こうしたいわゆる新自由主義に基づく「構造改革」の路線上ではなく、全く新たな方向をとるかどうかであります。しかし、依然として「構造改革」の流れは強く、現政権政策の混迷の原因はここの曖昧さに起因していると思います。一刻も早く、真に国民の暮らしに安心を取り戻すことのできる政策の実行を強く望むものであります。  平成20年も後わずかを残すのみとなってきました。この1年を振り返ると、内外の経済変動を強く受けてきた年であったことを実感します。 農業においては、原油高や飼料高のなかで、農産物価格の低迷が続きました。製造業においても景気低迷の影響を受け受注量の減少が進んでおります。小売業や建設業においては依然として回復の兆しは見えず経営は厳しくなってきております。昼神温泉をはじめとする観光業については、総じて入り込み客の減少が続いており、秋は若干にぎわったものの先行きは不透明であります。景気後退がさらに進むと予測され今後の推移が心配であります。  当然住民の皆さんの生活に対しても大きな影響を与えております。村としても、経営や生活への支援を講じる必要があります。後ほど議案のところでご説明いたしますが、でき得る支援を行いたいと考えます。  11月27日全国町村長大会が開催されました。今回の大会で特徴的なことは、「道州制」反対を鮮明にしたことであります。自民党道州制推進本部や日本経団連主導で進められ、推進法案の検討もされている道州制導入に町村の立場で待ったをかけたのであります。この背景には、平成の大合併に対する町村会としての検証の中で明らかになった合併町村の実態があります。10年前には2,562あった町村は現在では999に激減し、市は670から783に増え町村の衰退が著しいものがありました。現在進められている第29次地方制度調査会において1万人以下の町村を特例自治体とすることも検討されており、道州制論議でいわれている基礎自治体の数を現在の半分にするということとセットで進められることが懸念されるのです。我々は、山村の小規模自治体の解体につながる道州制の導入を認めるわけにはいきませんし、自治体の規模でそこに住む人々が差別されるような「特例自治体」導入を許すわけにはいきません。 三位一体の改革や地方交付税削減で失った国から地方への6兆円の財源を復活させる等財源の裏付けを明らかにした上での真の地方分権が進められることを望むものであります。  現在平成21年度の予算編成を進めております。今年度が第5次総合計画の初年度でありますが、具体的実施計画に基づく予算は21年度が最初ということになります。加えて来年3月31日をもって清内路村との合併を行いますので清内路を加えた予算ということになります。 具体的な実施計画である「前期基本計画アクションプログラム」については、素案がまとまり各種審議会等でご協議いただいておりますが、議会におかれても予算編成作業と同時進行でご検討をいただき成案にいたしたいと考えます。 冒頭で述べましたように、現在の経済事情は先行きが見えない状況であり財政政策についても国において定まっておりません。第5次総合計画策定時より確実に状況は悪化することは予測されますので慎重に対応しなくてはならないと考えます。しかしながら、本村を取り巻く状況は、人口減少が続き、集落毎の計画つくりを行っていただいておりますが、ここで出されているのが集落の高齢化、過疎化と耕地の荒廃化の問題であります。前から述べておりますように、ここ数年の間に何らの手だてを打てずにいれば確実にこの傾向は加速されます。この傾向を止めるためには、当然住民の皆さんのやる気がなくてはなりませんが行政としても具体的な手だてを講じることが欠かせません。 特に、次のことを優先して行うことが大切であると考えます。    ・ 現に住んでいる人々が住み続けられる条件を整える。    ・ 定住人口を増やす施策を講じる。特に子育て世代に魅力ある施策を行う。    ・ 観光業、製造業を中心とする地域経済の自立。  以上ほか基盤産業である農業振興をはじめとする様々な施策についてもアクションプログラムには搭載してありますが、十分検討の上、実施に当たってまいりたいと考えます。 いずれに致しましても、税等の自主財源は、景気の後退があり法人村民税、個人村民税とも落ち込みが予想されますので、地方交付税、起債への依存が大きくなります。経常的な経費の削減に努めて、中学校建設をはじめとする投資的経費や住民の皆さんの自主的活動や誘客対策等の経済活動への支援金の確保を行わなくてはならないと思います。  この間21年度予算を主題にした住民懇談会を各自治会単位で行って参りました。すでに自治会等からは、地区計画に基づくものと道路整備等の予算要望等が出されておりこれらについては現地等をみて予算化して参ります。今回の懇談会に各課から主要事業として提示させていただいたのは、    総務課...地域交通の確保、災害対策、定住促進。    民生課...特定検診受診率向上、介護保険計画。    ふるさと整備課...遊休荒廃地対策、有機活用農業振興、環境対策。    経済活性課...地域内循環経済システム、観光振興。    協働活動推進課...全村博物館構想推進、自治会活動推進、未婚者対策。      教育委員会...中学校建設、学力向上、保育の充実、家庭教育の推進。 等でありました。  今後議会協議会において、議員の皆さんからの政策提案を受け、各種審議会を経て予算案を作成し、住民懇談会を経て議会に上程させていただきます。積極的なご協議をお願いいたします。  本議会に提案する案件は、人事案件2件、事件案件11件、条例案件1件であります。  監査委員の選任については、松井和彦監査委員が健康上の都合で辞任され、熊谷操委員が議会の改選により辞任されたことにより、今回新たに選任いたしたいので議会の同意を得るものであります。固定資産評価審査委員会委員の選任については、1名の方が任期を迎えましたので再任についてご同意いただくものであります。事件案件のうち財産の取得については、今回七久里白山地区に工場用地を造成することとし、土地所有者のご協力をいただけたので土地を取得いたすものであります。「議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例」の規定により議決をいただくものであります。その他の事件案件は、本村が加入していますそれぞれの組織について、来年3月31日に清内路村が本村と合併し組織を脱会することについて、それぞれ組織の規約の変更が必要になり、加入組織市町村議会の議決が必要となることに関し議決をいただくものであります。  阿智村国民保険条例の一部を改正する条例は、出産のできる産科医減少の対策として、厚生労働省が通常分娩費35万円に3万円を上乗せしたことに対して条例を改正するものであります。 以上が本日提案する議案についてでありますが、現在の経済状況に対する対策等を盛り込んだ補正予算案6件を追加上程致します。 経済対策で考えています主なものは 「福祉灯油購入費助成事業」は、昨年に引き続いて村民税非課税世帯で70歳以上高齢世帯、介護扶助金交付世帯、自立支援扶助金受給者、18歳未満の児童を養育している母子世帯、父子世帯に生活保護世帯と、今年度は、身障手帳1,2級、療育、精神手帳所有者と中学生以下の児童を養育する村民税非課税世帯を新たに加えることといたし、それぞれ1世帯あたり1万円の灯油券を助成します。  「阿智村入学資金貸し付け事業」は、大学、短大等に進学する者に対して100万円を限度に入学資金を貸し付ける事業であります。 緊急経済対策としては、「地域内循環支援事業」として、商工会が発行する1万円の商品券に1割分(1千円)の上乗せを支援金として交付するものであります。  「不況対策資金利子補給金交付」は、金利の2パーセントを5年間助成するものです。又、昼神温泉の旅館経営者に全体で800万円の冬季誘客対策のための補助金を交付する事業を計画いたします。   飼料高や原油高に対して農業者に対する対策として、「家畜飼料特別支援金融通事業」に対して貸付金利1パーセントを助成するものと、「農業生産準備金貸し付け事業」は、畜産、果樹、ハウス農家に対して、農協を通して無利子貸し付けを行うものです。  また、追加日程として農村漁村活性化プロジェクト支援交付金事業で計画する土地改良事業の議決及び条例の改正、制定案件を予定いたしております。それぞれ上程の際、詳しくご説明申し上げますのでよろしくご審議たまわりますようお願い致します。      当面する課題を中心に以下申し上げます。  まず保育所の統合の件であります。春日と駒場保育所の老朽化が進んでおり、春日においては床の張り替え等が喫緊の課題となっております。又、10年前に駒場の改修とあわせ未満児保育室を設けましたが、未満児保育の希望が多く現在では2歳児を春日で保育する当保護者に不便を与えています。今回2園を統合して改築することを計画しております。12月20日には関係する保育所の保護者を始めこれから保育所に通わせる予定の保護者の皆様にご意見を聞く会を計画しておりますが、両地区の住民の皆さまにもご説明し大方のご理解をいただければ、できるだけ早く魅力ある保育所を実現するため来年度にも着手致したいと考えています。  また、国土交通省の補助金を受けて地域公共交通システムの協議会において協議を行っていただいておりますが、委託したコンサルタントにおいて住民アンケートがまとまり具体的な計画立案が進んでおります。協議会の協議を経て来年度には実証運行を行いたいと考えています。本村の地域交通に対するご意見をいただきより利便性の高いものにしていきたいと考えます。心配いただいております飯田―駒場線でありますが、主に飯田市の協議会で検討がされこのほど計画案ができ本村に示されました。現在の本数を縮小して運行する計画になっております。これについても本村協議会での協議を経て飯田市と協議を行いたいと考えています。この路線については南信州広域連合において地域の基幹路線として認定されましたので来年度に実証運行が行われます。  昼神温泉にあります「国民年金保養センターひるがみ」が、国の年金関係施設の廃止計画により公売にかけられることになりました。来年1月には希望者による入札が実施されることになっております。村としては直接公売に参加しない方針であります。信用のおける民間の方が取得されるように見守ることに致したいと考えますが、必要によっては議会にお諮らいし何らかの対応を致さなくてはならないと考えます。  来年3月31日新村発足を目指して来年度予算等の打ち合わせや規約等の調整を進めております。清内路においても合併後の地区の自治組織や地域振興策の協議を進めております。合併が地域の衰退にならないための手だてを清内路においてしかり講じて合併を迎えられるよう期待致します。    12月6日栄村の前村長が進めた村政から学ぶ会が開かれ参加致しました。前高橋村長は、戦後公民館主事から、企画課長等を経て村長に就任し5期20年間村長をつとめられました。この間社会教育を基本に「実践的住民自治」をかかげて雪深い北信濃という厳しい環境の村で、村を卑下する村民に、都市住民との交流を行うことで誇りを取り戻すための様々な取り組みを進めました。国の画一的な補助事業では狭隘な村では実施できないことから、村単独事業として「田直し、道直し事業」を住民の智恵と労働で進められました。この結果1,414枚合った棚田を514枚に整備しましたが、経費は10アール当たり約38万円という安さです。また、げたばきヘルパーや除雪の困難な家庭の雪下ろし行う雪害救助員制度の創設等、住民の知恵に学び、その力を引き出しながら困難な地域で創造的な政策を進められました。また地域の限られた資源を活かした公社を中心とした地域循環型の経済システムをつくり上げました。高齢化率45,5パーセントの厳しい状況は続いておりますが、住民のみなさんが主人公として誇りを持って暮らし続ける村を目指してがんばっておられる姿を学んできました。高橋村長は、講演の最後に。「今や、公共の空間は行政の独占の場ではない。住民もそれぞれの立場において、自立した公共の担い手として行政とともにさらに進めることが実践的住民自治の道である。」と述べられました。  本村の取り巻く環境も厳しいものがありますが、栄村を考えれば本村の比ではありません。 議員皆さまの今任期の4年間は、おそらく、我が村の将来を決定づけるような大変な時期になると考えます。今まで住民のみなさんと築いてきた「協働の村づくり」をさらに発展させ「一人ひとりの人生の質を高められる、持続可能な村」を目指してご尽力頂けることをお願いしてあいさつと致します。