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平成18年06月定例議会 村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2006年6月1日更新

6月定例議会開会にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
 まず、去る5月31日に起きました、国道153号線大野地籍のタンクローリー横転事故において、稲等に被害を受けられたみなさまにお見舞い申し上げます。
 寒原峠から小野川までの間においては、同様の事故が数件発生しており、大型の危険車両の通行も頻繁なことから、安全について改めて各方面において検証をお願いし、万一を想定した対策を講じて頂くことを、強く要請してまいりたいと思います。また、私もこの現場におりましたが、同時多発する火災の消火にとらわれ、全体を把握することができない状況が長く続きました。特に運転手が閉じこめられ死亡している状況で、この対応に警察も消防も集中しましたのでなおさらでした。今回は軽油流出であったので河川汚染による災害でありましたが、ガス等であったらと今更ながら背筋の凍る思いであります。緊急対策についても、今回の事故を教訓に早急に樹立しなくてはなりません。
 被害水稲の栽培管理指導についても、しっかり行って参ります。また被害に対する損害補償についても、村が窓口となって対応していきます。

 「格差社会」という言葉が日常的に使われる今日この頃です。かつては格差をなくすことを社会的な課題としてきた我が国が、格差を容認し、あるいは格差の拡大を制度として促すような時代に変えられてきています。
 我が国の経済は、トヨタ自動車に代表されるように、多国籍企業として莫大な利益を生む企業がリードする形で、景気を上昇させています。しかし、そうした企業以外の産業や直接恩恵を受けない地域においては、ますます厳しさを増している状況であります。さらに問題なのは、構造化する経済格差の中で、この地域が低く固定化されてしまうことであります。
 当南信州地域においても、牧野飯田市長が10年後には、飯田市の経済自立度を70パーセントに高めることを目標に、具体的な対策を進めております。このプロジェクトを中心になって進めておられる多摩川精機の萩本社長は、広域連合主催の講演の中で、「今後の飯田地域の製造業の中心は、精密機械に代わって電子産業や航空産業等の先端産業にシフトしていかなくてはならない」と述べ、多摩川精機が受注しているハイブリドカー車や人工衛星の部品開発を例に挙げられました。先日の新聞報道によると、この地域をリードしている企業のみなさんによる会が組織されたということです。人材育成をはじめ、様々な取り組みが強化されるものと期待しています。
 こうした地域全体の動きに対応し、当地域における本村の優位性を伸ばすことによって、製造業はもちろんですが観光業においても、地域経済力を高めていかなくてはなりません。特に、住民の皆さんの生活満足度という点から見るなら、就業機会の拡大が最も大切な課題であり、高齢化をふまえ農業をはじめとする地場産業の活性化が大切であります。

 さて、地方にとって最大の関心事は、地方交付税の動向であります。景気の回復を受けて、日本銀行が行ってきた総量規制が廃止され、金利動向が大きく動くことも懸念されます。異常な低金利政策で国民が失った金利による損失は304兆円といわれますが、このおかげでデフレ傾向が保たれ、日本経済の再建や国の借金の継続が可能になってきました。しかし、原油高による物価の上昇が進みインフレ傾向になれば、金利の上昇が始まり、国債等の利払いが重く国と地方にのしかかってくることは避けられません。国においては、一刻も早いプライマリバランスの正常化が緊急の課題になっております。そのため「経済財政諮問会議」が歳出削減を柱にした「骨太の方針」を出し強力に実施に移すことになっている訳です。
 かつて、我が国の戦後財政政策の基本となってきた「ケインズ主義的福祉国家」では、財政は3つの機能を担うとされていました。資源の効率的配分、所得再配分機能、経済安定・成長機能であるといわれます。いずれも市場経済に委ねておいては社会の持続的発展が保たれないので、公共財を使って、公共機関が介在することによって、適切、効率化、公平化することが必要であるという考えに立っています。国民負担については累進課税等の応能負担の採用、教育や福祉等の社会的事業の公営化、地方交付税制度もすべての地方が市場原理に左右されないで、一定の基準が保たれるようにするための財政機能による配分方法であります。
 しかし、現在進められている「小泉構造改革」は、そうした考えを否定し、市場原理に委ねることで、経済、財政の建て直しを進めています。国民負担については、すべての人に水平的に負担を求める「応益制」の拡大、社会的事業の民営化等を推し進めています。
 そして、その推進者であった竹中氏が、地方自治を担当する総務大臣に就任したのですから、従来の地方交付税制度の転換は必ずおこなわれると覚悟しなくてはなりません。就任早々に作られた、大臣の私的懇談会で「再生型破綻法法制化」を打ち出す等交付税制度の根幹を揺るがす研究を進めてきました。そして、5月26日「地方分権21世紀ビジョン懇談会報告(案)」を発表しました。この報告書の内容について、挙げられた項目を一見するだけでこの報告書の大方の考えは解ると思いますので項目を紹介しまと、大項目では「問題意識-なぜ今分権化」では(分権改革の加速)、(グローバル都市間競争時代の到来)、中項目の内「現状の問題」では(行きすぎた国の関与と地方の財政依存)、(地方の累積債務の拡大)、(人口が減少する中での持続性の劣化)、(地域独自の魅力の形成が不十分)、(住民参加、住民による監視<ガバナンス>が不十分-住民が受益と負担をセットで判断する仕組みになっていない)、(不透明な行財政の実態)、次に「対応の方向性」として地方債の完全自由化やいわゆる再生型破綻法制の整備が、交付税の改革では、人口と面積を基準にした新型交付税と、今後3年間で総額5兆円の削減が盛り込まれています。国と地方の税源配分等にも触れていますが、特に地方における行財政改革とりわけ人件費の削減を強調し、最終的には道州制の導入と市町村合併について言及しています。
 こうした政府の地方交付税攻撃に対して、地方6団体も反撃に出ています。従来より地方交付税は、税制上は国が徴収した税から一定額配分する方法をとっているが、本来地方固有の財源であるという立場から、「地方共有税」として地方において配分を行う制度に改正する提案を行っています。
 いずれにしても、今回公表される「骨太の方針」でどのような方向が出されるかでありますが、従来の方針が漫然と踏襲されることは決してあり得ないと、覚悟しなくてはならない状況にあります。
 戦後とられてきた様々な政治の仕組みが、大きく変えられようとしているのは、先に述べたことのみにとどまりません。根幹に関わる憲法改正論議が現実化してきています。今国会では教育基本法や共謀罪等々、国の進む方向や国民の暮らしにとって重要な法案が論議されていますが、事前での国民的論議が不足している感は否めません。国の政治や経済政策の直接の影響は、国民と最も大きな接点を持っている市町村にしわ寄せされます。末端行政機関としての市町村は、住民の命と暮らしを守ることが責務でありますからしわ寄せが大きければ大きいほど仕事の量も負担も増えることになります。私たちは、地方からもっと大きな声をあげていく必要があると考えます。

 さて、4月からスタートした18年度は、今までに増して動きの早さを実感させらるものでした。その中のいくつかについて触れさせていただきます。  
 4月1日より情報化がスタートしました。基本サービスの加入者は1,604戸、光インターネット加入者は700戸という状況であります。今後の課題としては、浪合とのシステムの統合を検討する必要があります。またせっかく整備した先端システムを利用した様々な安全、安心を含むサービスの拡大や自主放送の充実を進める必要があります。
 4月16日には、比叡山から天台座主をお迎えして、信濃比叡根本中堂の落慶法要が盛大に挙行されました。その前には、公衆便所建設予定地の発掘調査で、柱穴遺構と青銅鏡が発掘されました。23日には日本ウォーキング協会の木谷専務が園原を訪れていただき、東山道、信濃比叡ウォーキングを全国レベルで企画されることを約束されました。園原が大きく注目される中で、昨年調査委託しておりました「園原の里づくり調査報告書」が提出されました。報告書を具現化するため、資料館としてのビジターセンター建設にあわせ、センターを中心に保存や活用がはかられる方策を検討することに、早急に取り組みたいと考えます。
 浪合地区振興協議会において、浪合地区にある各施設を有効に活用するための研究を進めて参りきました。これは、施設の現状から、合併協議で合意に基づく5年という期間をおいて考えていては、有効利用が図られなのではないかと考えたからであります。必要な経費を投入しながらそれぞれの施設で新しい枠組みで運営をしていただいておりますが、中長期的な視野に立ったあり方を模索する必要があります。特にメーンである治部坂については、治部坂観光開発株式会社が中心で事業展開を行っております。スキーシーズン以外の活用を含め、どのように再開発を行っていくのか、早急に方針を出す必要があります。
 いずれの施設も、公費で補わなくてはならない状況にあります。公費を投じる限り、施設の設置や運営が浪合地区の産業振興や活性化に直接つながるように改善を行う必要があります。住民のみなさんが、これらの事業に関わりを持っていただけるような手だてを講じます。
 花桃の里には今年は、昨年を大きく上まわる8万人の入り込み客がありました。花の時期を過ぎた昼神温泉郷の状況は、入り込み客の減少傾向が続いております。3月定例議会で、旅館経営者を含む民間の力によって新しい昼神温泉の経営を担う組織作りを進める方向を打ち出し、そのための旅行業取得の予算措置を行いました。しかし、必要を感じている経営者がいるものの具体化が一向に進まずにいます。このままではじり貧傾向に歯止めをかけることなく推移してしまうことが危惧されます。専門的な知識を持つ職員を入れるなどの支援をおこない新しい展開を図りたいと思います。

 今議会でご審議いただく案件は、報告案件6件、人事案件1件、条例案件2件、予算案件1件であります。報告案件では、専決処分案件5件と繰り越し明許にかかる報告一件であります。専決1号は、地方税法が改正されたことによって阿智村税条例を改正いたしたものであります。専決第2号から第5号までは、平成17年度一般会計を始め各種特別会計の予算補正を行ったものであります。専決第5号は、治部坂高原の修景事業と薗原の遺跡発掘にかかるものでともに期限が限られた事業であるため補正予算を専決いたしました。平成17年度阿智村一般会計繰越明許費繰越計算書の報告でありますが、平成17年度に予算化しました事業のうち事情によって17年度中に完成できなかった事業にかかる経費を18年度に繰り越しその経費の内訳を報告するものであります。認知症グループホーム建設補助事業でありますが、中国残留孤児のみなさんを中心としたグループホームをNPO法人日中友好手ををつなぐ会が建設しこれに対して補助金を支出するものでありますが、現在詳細について計画中であります。計画が提出されしだい議会にもご報告し、所定の手続きをとってまいります。園原公衆便所建設事業でありますが、遺跡発掘調査が必要になりましたので発掘調査後の着手になります。2-16号園原の道路改良でありますが、工法の検討に時間を要したためで近く地元説明を経て着手いたす予定であります。中関の分譲住宅地造成事業でありますが、9月には分譲できる状況になります。すでに申込者があり申し込みの状況によっては新たな分譲地計画を立てたいと思います。第一小耐震改修事業でありますが、夏休み中に完成の予定であります。
人事案件は、人権擁護委員1名の方が任期を迎えますので引き続いてお勤めいただきたいと思いますので、ご同意を得るものであります。
条例案件は、職員の勤務時間および休暇に関する条例の一部を改正する条例の制定についてでありますが、人事院規則の改正によって休息時間を廃止するものであります。つぎに、資金積立基金条例の一部を改正する条例の制定についてでありますが、合併特例債を活用した地域振興基金を新たに加えるものであります。
予算案件は、平成18年度阿智村一般会計補正予算第2号についてであります。県からコモンズ支援金が決定になってきましたのでこれにかかるものを追加します。健康づくりのための地元食材活用事業、昼神温泉地への木製ガードレール設置費1,630万円、熊谷元一先生の写真の活用に関するもの、園原の史跡保存に係るものの4事業であります。地域振興基金として3億円を積み立てます。有機活用農業を進めるための検査員の費用と高齢者等が「有機いきいき」を使っての農業を進めるため、雨よけ施設やパイプハウスの設置について補助金を交付する費用。新たなエネルギー対策を計画するため、経済産業省の補助金を受けて調査を行う「地域エネルギービジョン策定事業」に関するもの。治部坂高原整備に1千万円もみじ平キャンプ場整備に3百万円。昼神温泉の新たな組織づくりの支援として1千万円を計上しました。
以上のほか追加日程として国民保険税にかかる条例改正をお願いいたす予定であります。
それぞれ上程の都度詳しくご説明いたしますのでよろしく議決たまわりたいと思います。
 かねて研究を進めて来ていただいた「全村博物館構想策定委員会」(村づくり委員会)より、「阿智全村博物館構想の提言書」が届けられました3月の定例議会あいさつで「全村博物館構想」について私の考えを申し上げました。住民が主体的に住んでいることに誇りの持てる地域を創り上げていくことに取り組む目標として位置づけました。提言書では、先進的なヨーロッパでの取り組みや数回にわたる専門的な知識を有する方の講義内容等が記述されています。又、具体的に博物館群を構成する阿智村にある史跡、文化財や自然環境等も列記されております。今後これを具体化する上での提言としては、阿智学という地域学を、住民の参画型学習、体験型学習、発見型学習によって起こしていくこと、構想母胎としての「阿智全村博物館推進委員会」をつくることが上げられております。これらを具体化してまいりたいと考えますが、村づくりに関わる長期的な取り組みになりますので、議会としてもこの進め方について共にご検討頂きたいと願うものです。
 先に人事院勧告に基づく給与条例の改正を行いましたが、具体的な施行について規則の改正を同時に行いました。その主なものは、昇級に関することであります。従来昇級は。原則的には1年1回1号俸の引き上げが行われてきました。4月昇級したものは翌年の4月1号俸上がるというものでしたが、この4月より昇級月を12月に一元化し、4号俸(前号俸の1号俸分)を基準に勤務評価によって昇級額が決ることになります。その為勤務評価が義務づけられました。
勤務実績が数値化でき易い民間事業所と異なって、公務員の場合は数値化が難しく、評価基準があいまいになりがちであります。既に自己評価を基本においた勤務評価を試験的に行いましたが、十分納得のいくものになりませんでした。職員のやる気を失わせないためにも、適正な勤務評価の方法をつくらなくてはなりません。試行錯誤を行いながら適正なものを創り上げ無くてはなりません。今年度より、目標管理方式の勤務評価を進めております。
現在庁内業務は、村づくり目標に沿った戦略的なチーム(子育て支援、若者定住、産業連携、危機管理、健康づくり)の業務を中心に進めることにしています。課や係は、従来からの役場機能によって各チームの掲げる業務を実行に移す組織と位置づけております。目標管理の方法としては、まずチームにおける目標を設定することから始めます。次に課及び係においてどのように実践に移していくのか目標を設定します。職員は、その目標の実践者として何をしなくてはならないか自己目標を設定します。その場合目標を期限や数値化等できるだけ具体化し、集団内で論議を行い、目標の共有を図るようにします。最終的には目標達成の度合いにより評価する方法です。現在この方法に沿って目標設定の作業を行っているところであります。今後これに基づく評価のあり方等について研究を進めて参ります。こうした考えの基に進めておりますことについてみなさまのご理解をいただくと同時に参考になるご意見をいただきたいと思います。

 さて、この5月31日をもって平成17年度の出納閉鎖を行いました。決算の認定については9月定例議会において行っていただきますが、決算状況について報告させていただきます。
一般会計については、村税と譲与税が予想以上にのび、差し引き差額が約1億9千万円となる予定です。各種特別会計においてもすべて黒字で決算できました。
例年問題になる未収金でありますが、本年度も改善がみられないまま推移いたしました。村税については、最も多い固定資産税の17,800千円を筆頭に総額で23,200千円と昨年度より約90万円減ったものの大きな金額であります。問題なのは国保税であります。15,900千円と昨年度より1,700千円増加してしまいました。税以外の未収金は、下水道分担金の17,300万円を筆頭に34,00万円になります。総額では新たに加わった別荘関係の未収金4,500千円を加えて昨年より18万円の増額であります。全職員が手分けをして滞納整理に当たる等鋭意努力しているところでありますがいっこうに減らない状況にあります。真面目に納付していただいているみなさんに申し訳が立たないことになりますので、さらに厳しく滞納整理に当たって参りたいと考えます。

 終わりに当たって、先日行われた「夢の翼コンサート」について述べたいと思います。田中貴枝さんを中心とクラリネットアンサンブルとメゾソプラノ歌手井原芙美子さんを招いての演奏会でした。予定していた座席を急遽増設するほど主催者の予想を上回る参加者の前で、出演されたみなさんも力のこもった演奏を披露してくださいました。そして最後のステージは、夢の翼に通う入所者と出演者が一緒に舞台で合唱を行いました。井原さんの美しい歌声や入所者の笑顔の満ちた歌声の後について会場の全体が歌声の渦に包まれました。私も目頭が熱くなる思いの中で、この地域に生きる幸せと言うことはこういうことではないのかという思いを強くしました。
少子化や、高齢化、人口減少は大きな流れの中で止めようのない現象であります。しかし、村中が、人が豊かさと同時に幸せを感じられる地域を目指せば、自然と人は、この地に住むことを選ぶのではないかと思います。理事長の原さんが、このコンサートの意義について「何よりも、このコンサートで入所者一人一人が、自己実現の機会を得たことである。」と語っていますが、入所者一人一人の自己実現が参加した周りの人々の幸せ感を喚起したように、人と人のつながりの中でいつもどこでも心がときめくようなことが一杯詰まっている村を目指してまいりたいと思うものです。