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平成15年03月定例議会 村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2003年3月1日更新

はじめに

本日ここに平成15年度当初予算をはじめとする、重要案件についてご審議をいただきますことに関して、心より感謝を申し上げます。
 先日、本村ご出身の方の御家族の方が、大きな風呂敷包みを持って役場を訪れていただきました。松尾にお住まいの方で、お父さんの遺品の中に倉沢興世さんの彫刻を探されました。ご家族でお話をして「お父さんが大切にしていた作品であるが、どのようにするか」とご相談されたそうであります。その結果「お父さんの出身の本村に寄贈したら」とお話がまとまり、奥さんと子供さん、お孫さんがこの作品を持参していただいたのであります。
 村を離れたとしても、いつもふるさとを思っていてくださる方々が大勢いてくださる。これらの人々の願いにも確かに応えられる村づくりを進めなくてはならないと、勇気をいただいたと共に、あらためて今に生きる私たちの使命を感じたのであります。
 昭和31年様々な問題を抱えながら阿智村は誕生し、今日まで多くの人々の手でこのように発展して参りました。既に最初に中学校の同じ学舎で学んだ人達は、50歳半ばになっております。半数の村民が、名実共に阿智村民としての素地を共有できる時代になってきました。
 阿智村は幾多の災害を乗り越えて今日の発展を迎えたのでありますが、今日大きな曲がり角にさしかかっております。村の中心部には平地があるとはいえ、多くは谷沿いに広がる集落を抱えて、森林率90パーセントと厳しい立地条件にあります。しかし、先人はこの中でいち早く工業化の道を模索して企業誘致を進め、周辺の山村が人口減に陥る中で、昭和50年より6千人以上の人口を維持してきました。この間、中央自動車道の開通をはじめとする交通の改善や、温泉の湧出ということもありました。戦前、満州移民を送り出し悲しい犠牲を払わなくてはならなかった、経済的基盤に乏しい我が村は、時代の風を受けて今日まで進んで参りました。
 しかしながら、バブル経済の崩壊後、我が国の経済が長期に亘って低迷していく中にあって、地域の経済も大きな停滞を強いられてきています。
 国全体においても少子高齢化という課題を抱えていますが、我が阿智村においても自然増を望めない中で、社会増によってかろうじて維持してきた6千人の人口も、これを割ってしまうのではないか、と懸念される状況に立ち至っております。このまま放置すれば、衰退の方向に進み出していくことは必至であり、将来を見据えた確かな方策を講じなくてはならないと考えます。
 加えて財政問題は大変深刻になってきております。地方交付税が実質削減され、税収も落ち込むという状況の中にあります。今日までの行政施策は、全て右肩上がりを想定して行われてきました。特にこの20年程は、国の公共事業誘導策によって、起債に頼った事業を取り入れてきました。この結果100億円に迫る借金を抱え、さらに公共下水道という引き返すことのできない大型事業を、今後も続けなくてはならない状況にあります。今後における地方交付税の動向は、国が進める地方財政改革、税源移譲と国庫補助金、地方交付税の削減のいわゆる「三位一体の改革」によって、どうなるか不透明な状況であります。国が考えていることは地方交付税の財源補填機能、財政調整機能の縮小にあることは確かであります。

地方自治と市町村合併

こうしたことを背景にして、半ば強制的な市町村合併が進められております。町村自治は今最大の転換期を迎えている、と言っても過言ではありません。しかし、このことはバブル崩壊後の社会にあって、高度成長の経済神話から人々が真の幸せとは何かを考え始め、変革を模索し始めたこの時期に「行政と人々の関わり」を、あるいは「行政のあり方そのもの」を問い直す格好の問題を提起しています。
 象徴的な出来事としては、昨年9月の行われた長野県知事選挙に表れた県民意識であります。我々も当時は疑うことなく進めてきた、かつての長野県政の全てを壊してきた田中知事が「壊すから創る」を掲げて再度立候補し、圧倒的な支持を得たことであります。
 戦後新憲法で確立された国民主権にたつ「住民自治」を掲げた地方自治制度は、分権を柱に「地方のことは地方で」を基本にスタートしました。新生日本を目指す人々は、荒廃の大地を耕し自治の意気に燃えて、国づくりを地方から目指してきました。進取の気風に富む私どもの村においても、若者を中心にした先駆的な取り組みがなされました。特に公民館活動を中心に、これら実践や学習が繰り広げられてきました。そして地域に産業を興し、貧しくても自立の営みが始められたのもつかの間、ふたたび国の経済政策によって、中央主導の国策に巻き込まれていくことになってしまいました。これが昭和35年から始まる高度経済成長政策であります。農村から若者が都市に移動し、農村の活力が失われた反面、経済成長による税収の拡大によって、国からの交付金はうなぎ昇りに上昇していきました。地域の整備や暮らしの共同扶助も行政が肩代わりをしてくれることになり、人々はサービスの受け手に、行政の担当者はサービスの提供者となっていき、戦後培われた自治の意識は日増しに減退していきました。
 そして今、人々は経済成長神話に疑問を持ち、お金より大切なものがあることに気づき始めたと同時に、サービス拡大の要求を続けたことにより、700兆円に及ぶ借金を後世の人々に着け回すことへの疑問を持ち始めてきています。政治の主権者としての意識を取り戻してきているものと思います。
 住民主体の村づくりを掲げて、今日まで様々な改革を行ってきましたが、特に身近なところから自治の力を育てるため、自治組織の復活を重要視して呼びかけて参りました。その結果、全ての地域で自治組織の立ち上げが行われ、今回の村の基本計画に反映できる自治組織毎の地区計画の策定が進められております。既に智里東と西の両地区においては、計画書として提出がなされました。全ての地区が机上で作るというのではなく、調査等を念入りに行いながら、多くの地区民が参加して作られております。自律自治の住民の皆さんの、潜在的な力を今発揮していただいているように思いますし、戦後一貫して取り組まれてきた公民館活動、とりわけ、今年36回を数える「社会教育研究集会」に代表される地道な地域づくりの営みが、住民の方々の自治の力を培ってきたものと思います。
 国策に従う方向で潤沢に流されてきた国からの交付金に限りがあることが判明した、今日の財政危機を乗り越えるためには、行政のあり方、お金の使い方を根本から見直さなくてはなりません。これらを説明する中で住民の皆さんにの間では、新しい自治への挑戦が始められています。問題は私をはじめとする職員の意識改革であります。既存の組織の中でサービスの配分になれてしまった職員が、自らも自律自治の気概を持ち、豊かに生きようとする住民のみなさんと、共に成長しあっていく奉仕者になれるであろうか、という課題であります。「木を見て森を見ず」という諺がありますが、今職員に求められている一つに「自分の仕事は何なのか」と問い返すことがあると思います。どういう森づくりを住民の皆さんと協働で進めていくのか、というところから出発する必要があります。その意味において人事評価や組織機構の見直しも、柔軟にまた速やかに行う必要があります。
 厳しいときだからこそ、みんなで知恵と力を出し合って、今議会でご審議いただく阿智村総合計画の後期基本計画に基づき「住民一人ひとりの人生の質を高められる、持続可能な発展の村づくり」に向けて、さらなる発展を目指したいと考えるものであります。

議案について

さて、本議会に提出いたしました議案は、報告案件1件、補正予算案件9件、条例案件20件、事件案件1件、当初予算案件8件であります。上程の折詳しく説明致しますが、主な2議案について申し上げます。

 それでは、提出いたしました案件のうち、第4次総合計画後期計画についてご説明申し上げます。
 第4次総合計画は14年度で前期5ヵ年が終了しますので、今回後期5ヵ年の基本計画をたてるものであります。
 前期計画期間は、県の廃棄物処分場を巡る問題もあり、環境への取り組み、介護保険法導入のための高齢者福祉、道路等の社会的インフラ整備と湯ったりーな昼神の建設等の観光施設整備を行ない、主に持続可能な発展の村づくりの基盤整備を行ってきました。
 後期計画は、前期の基盤の上に「住民一人ひとりの人生の質を高める」ことに力を注ぐと同時に、厳しい経済状況の下で「持続可能な村づくり」にむけての新たな課題にも取り組んで行くことを盛ってあります。
 村づくりの方向としては前期計画と同じ次の5点にしました。

  1. 個性を尊重し、心豊かな人生を送れる村。
  2. 誰もが健康で心安らぐ村。
  3. 地域を支える力強い産業の村。
  4. 自然と共生する便利で快適な村。
  5. 村民主体の行政の村。
 しかし、村の現状を分析する中で、基本理念である「住民一人ひとりの人生の質を高められる」という課題、「持続可能」という課題に照らして次の3点を重点施策として、各担当が個別でなく横断的に取り組む課題としました。

1.健康づくり。

WHO(世界保健機関)憲章(1947年)には、「健康とは、肉体的、精神的、社会的に完全に良い状態にあることであり、単に疾病または虚弱でないということではない」と定義されています。また、WHOヘルス・プロモーション健康宣言では、「環境と健康の両面が中核的で最も優先性の高いものと位置づけられ、日々の政策課題の中で最も大きな関心が示されるべきである。」と述べられております。長寿社会を迎え、健康の持つ意味をこれまでとは全く異なった視点で考えなくてはならなくなっていることは、我が村においても例外ではありません。一般的には、今までの健康への取り組みは、健康検診や訪問活動を熱心に行うことにありました。健康への取り組みの手段が、目的のように勘違いされてきたのです。昨年実施した村民健康調査の結果は、食事、運動等日常生活における健康意識が低いというものでした。今回はこうした反省の上に立ち、具体的な数値目標を設定して、全ての村民の方が「健康を意識した暮らし」を進められる環境を創っていくことを目標に支援体制を整備します。

2.子育て支援、若者定住対策。

子育て支援は、ただ単に子供の成長にとって望ましい環境を整備することにとどまりません。子供を安心して生み、育てられる環境が、経済的にも社会的にも整っていなくてはなりません。ただ保育園を充実するだけでは、子供が増えることはないのです。村の人全てが、子供は地域の宝として意識され、支え合い励まし合っていく環境を創ることが欠かせません。そうした環境を創っていくことと同時に、次代を担う若者が希望を持って住み続けられる村づくりを目指して、住宅対策をはじめとし雇用の場の創出を進めます。

3.産業振興(観光業と他産業との有機的連携)

我が国の経済は、見通しのたたない状況に陥っています。経済の回復には数年を要するという経済評論家が多くなっています。本村のあらゆる産業が不振にあえいでおります。このままでは地域の活力は完全に減退してしまいます。新たな産業の創出を図る必要があります。日本全体が不況にあえぐ中で、他地域からの応援を求めて再生することが困難な今こそ、地域の持つ経済的資源の掘り起こしによる産業の創出を図るべきであります。
 幸いにして観光人口の一定の入り込みが期待できることから、観光消費を目標にした農産物をはじめとした商品開発を進め、これを起爆剤として新しい産業創出を図るための支援を行います。
 そのために観光基盤の整備を進めます。

以上が重点施策であります。分野別の計画については特に申し上げませんが、今回については従来のように「ねばならない。」という建前重視の計画から脱皮させ、計画毎に具体的な数値目標を設定し、実施に当たってはアクションプログラムをたてて常に事業進捗が評価できるようにしていくことにいたしました。特に16年度をもって過疎債の適用が受けられなくなるほか、合併問題や、中学校の改築という大規模事業もあり、一層計画的で効率的な執行が要求されます。
 また、基本計画に自治組織毎の地区計画を反映させていくことといたしております。自治組織については、行政の下部組織では無く、その地域を代表する住民の組織として位置づけておりますので、当然ここで作られる地区計画は村の基本計画とは対等の関係にあります。今回基本計画を策定するに当たって、各自治組織に村の基本計画に反映させたいと考える各地域の計画をたてていただくことを提案してきました。この結果全自治組織で取り組まれておりますので、自治組織との協働を発展させていきます。

平成15年度当初予算案について

次に、平成15年度の当初予算案について説明申し上げます。
平成15年度当初予算総額は、一般会計において歳入歳出総額31億9,900万円、特別会計7会計合計23億3,044万8千円であります。
現在国会においては、平成15年度の国家予算を審議中でありますが、一般会計は総額で0.7パーセント増の81兆7,891億円で、3年ぶりに前年度を上回っておりますが、中身は社会保障費の自然増が主なもので、その他は軒並み減少するという緊縮型の予算であります。その上税収の減収分を国債で補うため、国債発行額は政府が限界と決めた30兆円を上回る36兆4,450億円、国債依存度は44.6パーセントと、いずれも過去最高となっております。地方財政計画では、地方単独事業を5.5パーセントの減額で見込んであり、財政規模を前年より1.5パーセントのマイナスとしており、地方財政は一層の厳しさを増すことになります。加えて、長野県においては15年度より1兆6,500億円にのぼる県債残高を抱え、今年度より「財政改革プログラム」による、公共事業削減を柱とした歳出削減を進めます。このことによっての市町村財政への影響が心配されます。
このように大変厳しい財政状況の中での予算であります。その上税収は景気の後退等で減少が避けられません。
今回の予算編成に当たっては、厳しい歳入減少の見通しに対応すると共に、今後も引き続いて削減が予想される地方交付税の動向に対応するために、財政検討委員会で検討された大幅削減を想定した財政計画の導入を行う前提の年度として位置づけた予算編成としました。
歳入については、厳しく見積もることとしました。特に、地方交付税の動向をつかみかねておりますので、7月の普通交付税の交付額によっては補正予算で修正しなくてはならないものと考えます。一方歳出については、事務事業評価検討委員会の意見等も参考にさせていただき、義務的経費の見直しを行い最小の経費を見積もると同時に、政策的経費をはじめ補助事業についてはゼロからの検討を加えました。
そうした中において、住民の皆さんの暮らしに直結すること、明日の村づくりにつながることにはできるだけの予算を配分いたしております。
特に、基本計画との整合性を図る上で、3つの重点施策については従来の縦型編成である各課での予算化を廃して、新たに「目」をもうけ集中化しました。このことによって庁内では関係課や係の垣根を越えて事業が進められるようになります。
 こうした財政状況下ですので、村民の皆さんにも地域づくりに汗を流していただくと共に、職員も予算というお金を介してでない、住民の皆さんとの協働を構築するために汗を流して取り組むことを期待しています。
 このような考えと過程を経て編成いたした予算であります、内容についてご説明いたします。

まず、重点施策の「健康づくり」についてであります。
今まで進めてきました検診をはじめとする事業をさらに充実していくと共に、次の事業を進めます。

  1. 健康を意識した暮らしを進める学習支援や出前講座
  2. 誰でもどこでも出来る軽スポーツの普及
  3. 水中運動人口の拡大と温泉利用の健康づくり
  4. 医療機関での人間ドックの普及
  5. 介護予防事業の実施

子育て支援、若者定住対策」についてであります。
子育て支援センターを中心に、子育てを巡る様々な問題の解決を進めますが、特に次の事業を行っています。

  1. 子育てが楽しいと感じられる環境づくり
  2. 子供の発達に沿った文化や健康情報の提供
  3. 子育てサークルへの支援
  4. 学童保育や子育て広場の支援
  5. 子育て負担の軽減のため第3子保育料の5割負担、小中学生医療  費の内、入院費用の自己負担分の支給等
 若者定住対策としては、昨年永倉さんよりご寄付いただいた1千万円を若者活動の活性化に充てることとしていますが、現在その方法について研究中であります。方向が決まったところで予算化して進めていきます。当然若者の組織化や雇用について支援を行なっていくことで、この問題に対処していきます。
 先日近在の市町村に住んでいる村出身の若い人々のアンケートを行ない、どのようにしたら村に住み続けられるか等、調査させていただきました。現在集約し分析中ですが、主なものは住宅についてと、子育ての負担への支援が上げられていました。これらを参考にして、予算が許せば補正予算の対応により住宅確保も進めたいと考えます。

次に、「産業」についてであります
 基本計画の主要テーマで申し上げましたが、このプロジェクトはそれを実現するためのものであります。従来の、観光は観光業の関係者だけで取り組むという考えから、観光業を村の基幹産業として位置づけ、これを中心に産業の活性化を図っていこうとするものであります。特に本年は農業との連携強化を図ってまいります。
 しかし、昼神の旅館経営者とのこれらのコンセプトの統一が出来ていないのが問題であります。早急にこのためのプロジェクトの立ち上げが確認され、本年の10月をめどに一定の方向を共有することになりました。観光資源の開発や誘客対策等の目的に沿う様々な事業に積極的に支援を行ないます。

つぎに、分野別計画の実施との関係について申し上げます。
 最初に「個性を尊重し、心豊かな人生を送れる村」についてです。
 学校教育については、35人を超えるクラスについて村費教員を配置し(2名)、その他中学校に1名の教員を配置します。また、障害を持つ子供に介助員を配置します。学力問題に対処するため小学校3校統一の到達度調査を実施します。社会教育では、要望が多く出されていた「公民館図書室の拡張整備」を行います。
 学校給食については、地元農産物の活用をはかります。今年度も文化イベントや体育イベントの支援を行います。
 つぎに「誰でもが健康で心安らぐ村」についてです。
 15年度より障害者支援事業が村に移管されます。このための環境整備が急がれるところであります。
 14年度に引き続いて地域福祉計画の策定を進めます。15年度は、それぞれの顔の見える範囲での計画づくりに配慮し、出来るだけ自治組織単位の計画をめざして進めます。中関高齢者生きがいセンターが村で2番目の施設として完成しましたので、ここでの生きがいデーサービスを地元のみなさまの協力を得て実施できるようにいたします。知的障害者の通所施設「翼のいえキラキラ」の運営支援を行ない、知的障害者通所施設の建設研究を引き続いて進めます。
 保育所については、合理化により正規給与受給の保育士が減少しますが、地域子育て支援センターとして保育の充実と地域の保育要望に応えられるようにいたします。保育所統合については、財政見通しから研究しなくてはなりませんので、研究組織でもって研究します。
 在宅福祉を充実するためには、地域医療の充実が欠かせません。医療体制について研究を進めます。
 つぎに、「地域を支える力強い産業の村」についてです。
基盤産業である農業の振興をはかるためには、農産物の有利販売は欠かせない問題です。流通経費を削減して消費者との直接取引を行なうためには、安心安全の農産物生産が前提であります。このためのシステムの構築支援を進めます。遊休荒廃地の再利用を始め後継者確保や、鳥獣被害対策等に対応するためには地域営農集団による土地管理をはじめとする活動が欠かせません。
 山林の持つ多面的機能、保水、景観、林産物等の活用をはかるためには、森林への手入れは欠かせません。保安林改良や間伐による事業を進めます。
 商工会へ委託して、新たな企業を興すための研究開発について支援を行ないます。
 つぎに、「自然と共生する便利で快適、安全な村」についてです。 道路改良に多額な投資を今日まで行なってきましたが、ほぼ完了したものと思います。現在、中山間地総合整備事業で計画されている道路改良以外は、財政上からも取り上げられないと考えております。これからは維持が主になるわけで、地域のみなさんの手で大方は維持補修を行なっていただくことで、道路への支出は極力削減したいと考えます。
 東海沖地震、伊那谷断層地震、南海沖地震と、地震がいつ起きても不思議でないという報告が矢継ぎ早に出されております。すでに被害想定も明らかにされたものもあります。公共施設の地震対策を計画的に進めますが、被害の多くは発災直後に集中するといわれますので、家庭、地域での防災対策や避難対策に重点をおいた対応を強化していきます。
 情報化については、防災無線による対応によって今日まできていますが、行政へのコンピューター活用や映像による地域情報の共有化等が望まれるようになってきました。過疎債によって整備すると来年がタイムリミットとなりますので今年度中にはこの方針を定めなくてはなりません。

村民主体の行政の村

最後に、「村民主体の行政の村」についてです。
 各地区で確立された「自治組織」が、地区における住民自治の担い手として発展されるための支援として、交付金を交付します。交付金については、自治組織をお金でコントロールするようなのもであってはならないと考えます。自治組織が今後身近な自治の活動を進めていくためには、自治組織の経費に対する公費負担について、一定のルールのもとで財政保障が出来ることも研究されなくてはならないと考えます。
 事業評価検討委員会については、15年度も引き続いて実施していただきます。
 村づくり委員会については、住民のみなさんの自発的意志だけに任せていてはなかなか発展いたしません。行政の側においても意識的に働きかけることも大切ではないかと考えます。協働の視点から、必要な課題については村職員からの発議も行なっていきます。

 以上平成15年度予算案について、考慮したいくつかについて申し上げました。

 当面する課題の内2点について申し上げます。
 県廃棄物処分場についてであります。すでに用地については2人を残して売買契約が終了いたしました。道路等の周辺整備についても着々整備が進められております。しかし、本体工事は今年度着手する予定でありましたが、三穂地区の理解が得られず未着手に終わりました。田中知事は、この2月定例議会のあいさつの中で「廃棄物の適正処理については、阿智村において長野県廃棄物処理事業団が進めているモデル的廃棄物処理施設の整備に向け、引き続き支援するとともに、」と述べ、15年度予算案では約4億円の予算を計上しております。こうした中で、地元のみなさんから「阿智村だけでも環境保全協定書を締結すべき」という意見が寄せられております。しかし、環境保全に当たっては、下流域のみなさんも共に対応していくことと考えておりますので、しばらくは三穂地区に対する、県及び事業団の理解を得る取り組みを見極めたいと考えております。

町村合併問題について

次に、町村合併問題についてであります。
 過日の飯田市議会において、田中市長は合併に対する基本的姿勢として、市の主体性を損なう合併協議は行なわないこととし、

  1. 精神は対等互譲で臨むが、合併方式は編入とする。
  2. 合併後の市名は飯田市とする。
  3. 行政水準は現行の飯田市の水準とする。
  4. 合併後の町村役場は、現行の市の支所と同等とする。
とし、これを受け入れられるところから合併協議に入りたい、という内容で、意思表明の時期を遅くもリンゴの花の咲く頃と表明されました。
 この報道を受けて、郡下の各町村で合併論議が進められております。
 飯田市に隣接する本村としては、この飯田市の呼びかけに対して無関心でいることは出来ません。新聞報道によると本村以西の村において、飯田市の呼びかけに応えて一郡一市を望むというコメントがありますから、もしこれが事実とすれば本村の動向が本村以西の村に影響を及ぼします。
 出来るだけ早い時期に、飯田市との関係について方向性を出さなくてはならないと考えます。しかし、現段階としては、飯田市長の広域合併に対する方針については、広域合併を思考する英断としてありがたく思いますが、「国の小規模自治体への動向を見極めるまでは、単独自治体として維持していきたい」という方針は、変更しない考えであります。
 今後の取り組みとしては、具体化してきた合併問題について村民の関心も高まってきているので、4月早々に住民懇談会を呼びかけ自由に合併問題を論じ、研究する機会をつくりたいと考えます。

最後に

先日私は沖縄を訪ねる機会を得ました。遠来の客として沖縄市長はじめ多くの人々が、歓迎の会を開いてくださいました。その会の主催は、沖縄市で歯科医を開業する阿智高校出身の歯科医師の所属するボランティアグループとお聞きしました。沖縄では助け合いのことを「ゆいまーる」というそうであります。人と人との絆を大切にして生きておられる沖縄の心に接し、これからの地域づくりの大きなヒントを与えていただくことが出来ました。
人が人として尊ばれ、この阿智村の中で生きている実感をもって支え合っていくことの出来る、人のぬくもりが感じられる村をめざしていきたいと願っています。そのことが、冒頭で触れさせていただいた、村を思っていただいてきた方々へのお応えになるものと考えます。
 この議会において、新しい村づくりについての有意義な討論が行なわれ、明日の村づくりへの確かな指針を提起いただきますことと併せて、全ての議案について議決賜ることをお願いして挨拶とさせていただきます。