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平成15年12月定例議会 村長あいさつ

印刷用ページを表示する 掲載日:2003年12月1日更新

12月定例議会開会に当たりご挨拶申し上げます。

はじめに

平成15年も残すところわずかとなって参りました。この1年も問題の多い年でありました。不況下にあった経済において若干の明るい兆しが現れてきましたが、業種間や地域間の差は依然として大きいものがあります。
国外ではアメリカのイラク侵攻による問題が、戦闘終結を宣言したにもかかわらず深刻さを増してきており、我が国においてもイラク支援をめぐって、自衛隊派遣が大きな政治課題となっております。過日はイラク駐在の日本の外交官2人が、テロによって殺害されるという痛ましい事件も発生いたしました。新聞の世論調査においても、大多数の国民が自衛隊のイラク派遣には慎重な意見を持っていることが報道されておりますが、戦後の我が国の流れを大きく変えることでもあるので、慎重な対応を望まずにはおれません。

一方国内においては、衆議院選挙で与党が多数を占めましたが、年金問題を始め、当面する課題が山積しております。特に、構造改革によって国民の間に大きな格差が生じ始めていることが報道されていますが、将来に希望がもて、安心が保障される解決を期待するものであります。

私ども小規模自治体にとって最大の関心事でありました、第27次地方制度調査会の最終報告が、この11月13日に出されました。懸念しておりました、人口1万人以下の自治体について、機能を法律で縮小させるという事項は盛られることはありませんでした。しかし、合併特例法の期限切れ後において、都道府県知事が1万人以下の自治体の合併推進を要請する、という方針が示されました。地方制度調査会においては、地方交付税の維持等についても地方自治体寄りの方針が出されましたが、経済財政諮問会議等では、地方行政の財源保障機能の縮小、廃止について意見が出されております。この問題については予断を許さない状況であり、過日開催されました全国議長大会や全国町村長大会においても、地方交付税制度の堅持等について引き続き強力な運動を行っていくことが決議されました。

村内の状況について

さて、本年は農業にとりましては、天候不順に悩まされた年でありました。4月の長雨と7月から8月にかけての長雨の雨量は平年の164パーセントと多く、一方日照量は平年の74パーセントという状況で、5月の降雹被害とあわせ全ての作物に大きな影響をもたらしました。これに加えて鳥獣害が村内各所で発生し、ただでさえ生産意欲が減退している農家に大きな打撃をもたらしました。こうした中においても、新しい農業を目指した有機活用農業振興会が組織される等の動きもあり、村の基盤産業である農業の振興を進めることについて真剣に考えられております。

商工業については、経済の長期停滞による影響を今年も大きく受けました。小売業においては引き続いて大型店の影響を強く受け、売上高の減少に悩まされています。建設業においては公共事業の大幅減少等による受注減が続いておりますし、建築業においても相対的に受注減となっております。盟和産業等の大きな企業については、国の景気動向により明るい見通しが見え始めているようにお聞きしています。機械加工等についても若干の景気回復感を持てるようになってきているようですが、単価が低い等本格的な回復にはまだ時間を要する状況にあります。

昼神温泉を中心とする観光業については、全国的に苦戦を強いられている中で、各ホテル旅館とも大変な努力をされております。施設毎にばらつきはありますが、まずまずといった状況であります。日本の温泉地の中でも泉質の良さにおいて16番目にランク付けされており、今後の景気動向も気がかりですが、十分でないとされているサービスや環境の整備に取り組んでいくことが今後の課題であります。

町村合併について

町村合併の問題は、合併特例法の期限まで1年余りとなり、現在緊急にその方向を出さなくてはならない課題であります。6月定例議会の折、私が申し上げた合併に対する考えについて、村民の間で議論がされてきておりますが、大方の皆さんにご理解頂いてきているのではないか、と考えております。この間、議員のみなさんにおかれても村民の皆さんとの懇談も行って頂きましたし、私も自治会主催の懇談会や消防団員との懇談等を行って参りました。

注目していた地方制度調査会の報告も出されましたので、進むべき方向を出さなくてはならないと考えます。住民意向調査を行うとお話してきましたが、今年度中に一定の方向を出すには、2月初めには実施しなければならないと考えます。そのためには、意向調査の項目等について、早急に決定しなければなりません。今日までの議論を集約するものとしては、ただ単に合併賛成か反対かというのではなく、もう少し内容の深いものにする必要があると考えています。財政事情が今までより厳しくなることを想定して、その状況下で経費を削減しても阿智村という枠組みを堅持した自立の道を選ぶのか、飯田市に編入され大きな傘の下で主体性の低い道を選ぶのかが、まず問われることであると思います。次に、自立の道を選択した場合において阿智村一村にこだわるか、阿智村の主体性が維持できれば周辺村との合併も研究し、将来の村づくりにとってプラスであれば合併を考えるかについて、最終の結論は議会において出して頂くにしても、村民の皆さんの意見を聞くことが必要であると考えます。

村民の皆さんにご判断頂く資料として、合併せずに進む場合の財政シミュレーションを含んだ「自律化プラン」をできるだけ早く提示し、議論をお願いしたいと考えます。

現在考えております自律化プランの骨子は、

  1. (1)自律選択の意義
  2. (2)自律のための条件(若者定住対策、経済自立策)
  3. (3)自律のための事業計画
  4. (4)自律のための財政計画
であります。財政計画では、1万人以下の自治体に行われている地方交付税の段階補正が切られた場合を想定して経費削減を行ったものとしたい、と考えます。人件費を中心とした管理部門の削減に重きを置いて、現在検討中であります。議会でのご検討いただく他、住民のみなさんの中でもご検討いただき、実行性のあるプランに高めて、村民のみなさんにご判断を仰ぐものにして参りたいと考えます。合併懇談会の折にある住民の方がおっしゃった「合併の道を選ばないということは、自分を含め自律への覚悟をすることだ。」という言葉が重く感じられます。

予算編成について

次に来年度の予算編成について述べます。
国においては既に概算要求のとりまとめが行われていますが、その中で「三位一体」の財政改革を受けて補助金等の見直しが進められております。小泉首相が言う一兆円以上の補助金削減を、どう達成するかが各省庁で検討されておりますが、現在挙げられている項目では、国の都合で一方的に削減されるものが多く、地方分権にそぐわないとの批判がされております。この動向とともに交付税の財源をめぐって、財務省と総務省とで"綱引き"が続いていると報道されていますが、未だ不透明感はぬぐえません。

国税収入は増加に転じたと報道されていますが、それにより地方への財源が増やされることは期待できませんし、村税収入の増加も期待できる状況にありませんので、昨年以上に厳しいものになると考えられます。しかしながら、来年度は過疎債で対応できる最終年に当たりますので、懸案であった情報化事業等には取り組まなくてはなりませんので、経常的経費を削減して事業実施を行うつもりです。また、自律化プランに沿った事業計画を進める第1年次と位置づけ、長期的展望に立って、従来の慣習にとらわれないで柔軟な予算編成に当たりたいと考えます。

村内の各自治会においても地区計画が出そろい、これに基づく予算要求も出されておりますので、旧来の計画行政とは異なり、今必要なことは何かという視点も重視することも大切と考えます。その点では予算検討の前段で、行政として必ず行わなくてはならない仕事(地方交付税の基準財政需要額算定の事項)をあらためて確認し、それをベースに基幹的な予算を組み立て、その上で歳入に見合った事業を組み立てていく作業を行いたいと考えております。いずれにしても予算の編成過程が議員の皆さんはもとより、住民のみなさんにも解るような編成に心掛けて参りますので、積極的な御提言をお願いしたいと思います。

さて本議会においてご審議いただく案件は、固定資産評価委員の中で任期を迎える方があり、この後任を選任いたしましたのでご同意頂くもの、15年度一般会計、補正予算第5号については、給与改定に伴う人件費の減額、中小企業振興資金保証料の追加、図書室拡張に伴う図書の初年度購入費1500万円の追加、が主なものであります。このほか特別会計においても必要な補正をお願いいたしております。
上程の都度詳しくご説明いたしますので、よろしくご審議を賜りますようお願いいたします。

最後に

最後になりましたが、何点かについて申し上げたいと思います。
住民基本台帳ネットワークの安全性に関する県の実験の件でありますが、村民のみなさんの大切な情報を管理する者として、情報漏洩に対する安全性は大きな課題であります。安全性に疑問があるとする県の専門委員会の報告を受け、その安全性についての実験の場所を提供いたしました。夏に第1回の実験が行われ、もう少し詳しい実験を行いたいとの県からの申し出により、村の施設を再度使うことを許可いたしました。当然県と協定を結んでおりますが、実験の内容については関知しておりません。今回、地方自治情報センターとの間でトラブルが生じたことは、全く遺憾なことであります。県の責任においてこの問題を早期に解決するとともに、実験で得られた結果については、できる限り早く公表されることを望むものであります。

先日中学生への合併説明会の折、こんな質問を受けました。

この2つの意見を聞き、また私自身が自律化プランで職員の人件費削減を具体的に検討している状況にあるとき、私の中で大きな矛盾を感じています。戦後50年以上に亘り進めてきた住民福祉を高める活動の中で、ようやく到達した現在の自治体の姿を、財政難を理由にして元に戻すようなことでよいのか、という疑問であります。

確かにこの40年間は国の経済、財政政策に乗って地方財政も拡大を続けてきました。その大半は補助金であり、また有利な起債という借金でありました。不要不急な事業も中にはありましたが、この事によって過疎自治体においても人並みな暮らしができるようになっています。図書館についても情報化時代を迎え、自己責任が望まれる中で情報を得られる所として、図書館があるのは当たり前のことであります。しかし、現実は国からお金が来なくなるわけですから、削減を行わなくてはならないのです。国の政策に翻弄されてきた地方の現実があります。今一度地方自治とは何か、住民自治とは何かを問う中で、今日の問題に対処しなくてはならないと思います。

私は先の中学生の問いに「私たちが村を構成し、税金等の負担をしているのは、豊かな暮らしをしたいためなのです。そのために図書館が必要であるという人が多くあり、私も必要であると考え事業を進めました。限られたお金ですが必要なものにはしっかり使います。どれを優先的に行わなくてはならないか、みんなで話し合いじっくり考えて進めなくてはと思っています。」と答えました。

一人ひとりの住民の皆さんが、我が村我が地域をどのようにしていくのか、この地域をどうしたら真に豊かさが実感できるところにできるのか、かけがえのない自然や地域の文化を後世に伝えることができるのか、今こそ真剣に考え、答えを出さなくてはならない時であると思います。その一つの選択が合併をめぐる選択であります。悔いの残らない選択を行うため、みんなで力を合わせていただくことを期待いたします。